UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

驚愕の小学唱歌(その三):かつてもうひとつの「君が代」があった・・・

2019-04-26 01:19:48 | 日記
4月10日の日記に小学唱歌「蛍」(蛍の光)の隠された秘密について、また4月12日の日記にはおなじく小学唱歌「蝶々」の隠された秘密について、もっともらしいことを書きましたが、内容のほとんどは牧原憲夫氏の著作「日本近現代史②:民権と憲法」(岩波新書)からの丸写しでありました。

丸写しのついでに今日は「君が代」についての話を丸写ししておきます。

牧原氏の説明によれば、明治時代に作られた「唱歌」なるものは、維新により生まれ変わろうとする国家の下での「国民意識の創出」と「国民の育成」に深くかかわったものであるとされています。すなわち、新しい国家体制の下で日本国民のだれもが歌える歌「国楽」すなわちナショナル・ミュージックが必要であると考え、文部省が米国人ルーサー・ホワイティング・メーソン(ボストンの初等学校音楽監督)などの協力を得て、1982(明治15年)年から「小学唱歌集」の刊行をはじめたとされています。

牧原氏は「君が代」についても意外な事実を記しています。

《メーソンが(日本に)持ち込んだメロディーにはドイツ人移民が歌っていた民謡やボストンの教会で歌われていた讃美歌が多かった。たとえば「蛍」(蛍の光)は「オールド・ラング・ザイン」、「隅田川」は「ハンブルグ」、「春のやよひ」は「ハッピーランド」という讃美歌だった。また『小学唱歌集』の「君が代」は現在歌われている曲とは異なり、サミュエル・ウェッペがイギリスのグリークラブのために作った「グローリアス・アポロ」が原曲で、それがアメリカで讃美歌に採りいれられたという。
 アメリカの讃美歌の多くは信者になじみ深い曲に歌詞をつけてものだったから、出身地の民謡などが採りいれられた。それらが教会を媒介にして日本の「唱歌」になったわけだが、「国楽」の基礎である「小学唱歌」が讃美歌であったことは記憶されてよいだろう。》

驚きです!いま歌われている「君が代」すなわち国歌である「君が代」とは別の歌、小学唱歌であり、メロディーは讃美歌調という「君が代」が実在していたのです。

ウイキペディアさんなどによりますと、国歌「君が代」の歌詞は『古今和歌集』の「読人知らず」の和歌によるものとされており、「1880年(明治13年)に宮内省雅楽課が旋律を改めて付け直し、それをドイツ人の音楽教師フランツ・エッケルトが西洋和声により編曲したものが、1893年(明治26年)の文部省告示以降、事実上の国歌として定着した」とされています。ですからメロディーは元々は雅楽でありませう。ところがこの国歌「君が代」が定着する以前に、讃美歌をもとにした小学唱歌の「君が世」が存在していたということになるのです。

なお、国家の歌詞の由来とされた和歌は当初は「祝福を受ける人の寿命」を歌ったものであったが、転じて「天皇の治世」を奉祝する歌となったとされています(ウイキペディアより)。また「君が代」が法律的に国歌であると正式に規定されたのは1999年(国旗と国歌に関する法律)のことです。

「元号法」が制定されて、この法律により「元号は政令で定める」とされ「昭和の元号はこの規定に基づき定められたものとする」と附則で定められたのは1975年のことです。日本という国家のシンボルともいうべき国旗・国歌、それに元号を長い間法的根拠なしになんとなく受け入れてきた私たち日本人・・・法律なんてどうでもいい、これが世界に冠たる日本文化の伝統だ!ということなのであるのでありませうか・・・・

小学唱歌「君が代」の歌詞は国歌「君が代」より長く、二番まであります。歌詞は以下のとおりでございます

明治14年(1881年)11月24日『小学唱歌集 初編』
君が代
作詞者未詳

一 君が代は。ちよにやちよに。さゞれ
  いしの。巌となりて。こけのむす
  まで。うごきなく。常磐かきはに。
  かぎりもあらじ。

二 きみがよは。千尋の底の。さゞれ
  いしの。鵜のゐる磯と。あらはるゝ
  まで。かぎりなき。みよの栄を。
  ほぎたてまつる。

http://www.d-score.com/ar/A05100801.htmlから引用しました。

この小学唱歌「君が代」、お聞きになりたい方はユーチューブをご覧になってくださいませ

国歌「君が代」と小学唱歌「君が代」、あなたはどちらがお好きでありませうか?

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

今日の写真は最近わがガーデンで「君が代」ではなく「わが世」に春のひとときを謳歌しているタンポポさんたち、わが庭に広がるタンポポ平原を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧になってくださいませ

グッドナイト・グッドラック!