UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

チャップリンの「独裁者」・・・「宮武外骨と安倍政権」(仮題、MBS制作)・・

2017-08-24 00:38:40 | 日記

チャップリンの「独裁者」という有名な映画がありますね。昨日、熱帯夜のためにいつにまして何もやる気がでず、なんとなく「新・映像の世紀 大全」(NHK「新・映像の世紀」プロジェクト編著、NHK出版)という写真集をパラパラとめくっておりましたら、《幻の「独裁者」:チャップリンとヒトラー》と題された記事に遭遇いたしました。

(この本は2015~2016年に放映された「NHKスペシャル:新・映像の世紀」(全6集)の内容などを写真集にしたものです。)

今日の日記、以下に書きますことの大半はこの記事(筆者は伊川義和氏)からの引用であります。

ヒットラーをモデルにしたチャップリンの「独裁者」の構想が生まれたのは1937年(ヒトラーが政権の座についたのは1933年1月)のことです。しかし、一国の国家元首を風刺するような映画はリスクが大きく採算に合わないと映画関係者たちが二の足を踏んだために製作は遅々として進みませんでした。

けれども、チャップリンはの決意は固く、「・・・たとえ自分で映画館を借りなければならないようなことになっても、これだけはやってしまう決心だった」と語っています。

1939年4月16日にチャップリンはハリウッドで50歳を迎えましたが、その4日後の4月20日にはヒトラーの50歳を祝う軍事パレードがベルリンで開催されました。 

ドイツ軍がポーランド侵攻を開始し二次大戦が始まったのが同じくこの年、1939年9月1日。「独裁者」の撮影が始まったのは同じくこの年の9月。

最近(1999年)になって、スイスのチャップリン邸で映画《独裁者》のメイキング映像(カラー)が発見されていますが、このフィルムには上映されることのなかった幻のラストシーンが記録されています。すなわち、当初チャップリンは、兵士たちが武器を捨てて終わる大団円というハッピーエンドを考えていたのですが、撮影が進むにつれてナチスがヨーロッパを蹂躙するのを目の当たりして、このラストシーンを、あの有名な、映画史に残ることになった6分間の演説シーンに変更しました。

(注:「メイキング映像」というのは、ある作品がつくられた過程や、その舞台裏を、映像や写真などで記録したものを意味しています)

喜劇であるものの、この演説シーンには笑いはひとつもありません。映画が公開されると特に英国では熱狂的な支持を受けましたが、米国では保守派が反発、イギリス人であるチャップリンがアメリカを戦争に引き込むために作ったプロパガンダ映画であると非難、彼は公聴会に召喚されましたが、そのとき次のように述べています。

《すべての映画はプロパガンダです。男女の映画は愛のプロパガンダだし、ギャング映画は法を守らないと罰を受けるというプロパガンダ、そして「独裁者」は民主主義のプロパガンダです》

しかし、二次大戦後、米国ではマッカーシーによる「赤狩り」の嵐が吹き荒れ、彼は再び保守派の標的になります。「私は共産主義者ではありません。平和の扇動者です」と明言していたものの米国政府により国外退去させられ、余生をスイスで過ごすことになりました。

チャップリンの死後、ニュールンベルグ裁判のために映画資料を整理していたドイツ人が、ヒトラーは「独裁者」を二回見たと証言しているそうです・・・いったいヒトラーはどのような思いでこの映画を見たのでありませうか・・・・

この写真集に掲載されていた、上記のような、チャップリンの映画「独裁者」についての記事を読んでいまして、ヒトラーの動きと、そして歴史の動きと、同時進行で、間髪を入れず、すばやく映画の製作に着手し、完成させ、公開するというチャップリンの行動ぶりGGIはいたく感心してしまいました。

それにくらべ、わが日本の映画や映像制作の関係者のみなさんよ、すこしノンキすぎるのではありませんか、アベ君があんなに勝手し放題なのですから、彼を正面から取り上げた映画や映像作品のの一つでも作ったらどうなんや、しっかりしてよ、今こそ、その時ではないか、チャップリンサマを少しはを見習ったらどうや、などとGGIは思ってしまいました・・・

などと、いつもながら慨嘆するしか能のないGGIでお恥ずかしい限りと思っていたのでありますが、GGIが慨嘆している間にメールが一通、某筋からの貴重な情報が、音もなく届いておりました。まるでGGIの慨嘆振りを見ていたような内容のメールであります。

《来る8月27日(日)深夜0時50分~1時50分、毎日放送ドキュメンタリー「映像17」、「宮武外骨と安倍政権:政治とジャーナリスムを問う(仮題)」という番組があります、よろしければご覧ください》

(正確には月曜日、28日の零時50分からだと思います)

「過激にして愛嬌アリ」で知られた宮武外骨は、何回も自分の新聞に掲載した記事のために投獄されたり出版禁止の憂き目にあっていますが、それにもめげずに権力を恐れることなく大活躍した明治の大ジャーナリストです。ですから「宮武外骨と安倍政権」はなかなかグッドな時宜を得たテーマであると言ってよいでありませう

ですから。チャップリンほどではないにしてもMBSさんにもガンバってほしいものであります(ついでながら申しますと、明治の人、宮武外骨の業績を発掘、彼の再発見再評価を行い、広く世に知らしめたのは「櫻画報」事件で「朝日ジャーナル」を沈没させてしまった赤瀬川原平氏です)

関西にお住いのみなさん、よろしければこのテレビ番組をご覧くさいませ。

宮武外骨氏についてはすでにこの日記で若干触れておりますので、よろしければ以下のサイトなどをご覧くださいませ

http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20150228
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20150303

今日の写真は「独裁者」のなかのチャップリンの演説場面です。今日紹介しまし写真集から無断借用させていただきました。

なもあみだぶ、なもあみだぶ、なもあみだぶ・・・

グッドナイト・グッドラック!