湖都のJR駅は県都の駅であり人口30万都市の玄関口であるというのに一日の利用者数は県内の他に駅に次々に追い抜かれいます、おかげで閑散としており、この駅前一帯の閑散ぶり、GGIは結構なことだと思うのですが、世の中、閑散をわけもなく忌み嫌う方々も少なくありません
市役所のお役人もたぶんそうなのでありませう、県都であるにも関わらず、近くには県庁などの湖国の永田町が存在しているにもかかわらず、この閑散ぶりは何たることだ、というわけで駅前大再開発ということになってしまいました、そのシンボルとして30階建ての店舗兼大マンションが建設されることになり、最近すでに有名ゼネコンさんが有名ブランドのマンション建設を開始しております
しかしながら、再開発を喜ぶ人ばかりではありません、迷惑するというか困惑している人たちもいるのです。
駅前にもう何十年もやっている小さな本屋さんがありますが、このお店の女性オーナーもその一人であります、GGIは棚の奥には白水社の高級そうな本がどっさり並んでいたりして、この本屋さんをむかしから愛用しております、このお店で椅子に座って、ときには茶の間にまで上がり込んで、長々とおしゃべりするのがGGIの習慣ですが、ツケでいくらでも本が買えるのも何よりであります、でも、いくら借金がたまっているのか分からないのが唯一の大欠点です
この本屋さん、すでに隣で高層マンションの工事が始まっているので、いよいよ立ち退きが迫ってきました、先日、久しぶりに立ち寄りましたら70代後半のこの女性オーナーであるところのオバサン、困惑しきっておりました
「若いころならともかく、この年になって殺生なはなしや、替地を用意して家も建ててくれると市のヒトはいうてはるけど、この家、引っ越すだけでもたいへん、戦前の建物やから、いっぱいろんなものがあるし、中庭には古い石灯籠や井戸なんかもあるけど持っていくわけにいかん・・・新しく家建ててくれはっても、そこでこれまでどおり本屋さん、続けられるかどうかもわからんし・・・・年内には立ち退いてくれと言わはるけど、まだな~んにも用意なんかしてない・・・」
などと困惑してはおりますが、「まあなんとかなるやろ、あまり考えてもしょうがない]と明るい調子で話してくれました
このお店の一番奥の棚にいつまでも売れない本が一冊あります、いくたびに気になります、もう十年は置いてあるでしょうか、「モネの庭」というカラーの写真集です、GGI、モネは好きですので、ときどきオバサンに言うのです
「この本、いつまでも売れへんなあ、いっそオレが買おうか」
でも、この女主人はのたまいます
「そんな無理せんでもええ、いつか売れるやろ」
立ち退きが迫っているのにまだ売れておりません、
女主人は、一度店をやめてしまうと再開できたとしても、あらたに本の問屋さんなどと契約をし直すなど手間が大変、それにお金もかかる、だからおそらく年末からは一時休業ということにするつもりだと話しておりました、
まあ、ですから、GGIとしましては、これまでお世話になったことに感謝して、年末までには「モネに庭」を買おう、それが礼儀というものであろうと思っております。
写真はモネの庭ふうの色彩を呈しているわが庵のナンキンハゼです。ナンキンハゼの葉っぱは銀杏の葉っぱを一回り小さくしたような形をしています、晩秋になるとゆっくりと表が紫がかった深い赤、裏が黄色に色づきます、もうすぐ一斉に散り始めます、そしてわが庵の庭は黄色と赤のアラベスクに覆われます、とてもすてきです、いずれ写真でお見せいたしませう
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グッドナイト・グッドラック!