あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

優しい道

2021-06-07 13:57:03 | 山登り・里山歩き

光明岩を後にして、奥の院まで下りてきました。

ここでゆっくりと建物を観察。

 後で調べたところ、この奥の院が本来の本堂で、ここにあった大師堂をふもとに下ろし、本堂も新たに建てたのが今の世田薬師、(正式には栴檀寺と言います)だそうです。この古い本堂には左甚五郎作と伝えられる胴切りの竜の彫刻があるということです。そんなこと知らずに行ったものだから3人はこの彫刻を見上げてしばらくああだこうだと言っていました。

 獅子? いやキツネに見える。犬かも。 今みてもこれが竜とは思えません。

 反対側も同じ?

 これは鳳凰でしょう。竜はどこにあったのでしょう。 これだけしか写真を撮ってないので、確かめるにはもう一度登らなければ・・・・・まあ、そのうちにね。

 この本堂の近くに立て札がありました。ありふれた山火事防止の看板ですが、

 ちょっと雰囲気が違いました。「おたばこ」「×ですよ」多分この柔らかな言葉遣いが優しく諭しているような雰囲気を醸し出しているのでしょう。さすが、お寺さんの立てた看板だねえと思いました。

 そしてわたしたちは、工事中の不動明王の所まで下りてきました。 

「あっ、来てる。」

 この石仏を彫り続けているおじいさんが、すわってお弁当を食べているところでした。

「こんにちは。毎日来てるんですか。」

「お天気がよかったけんなあ。」

「今何を?」

「弁当を食べよるんよ。」

 お弁当は、自分で炊いたご飯と、買ったお総菜だそうです。一人暮らしのおじいさん、車を運転してスーパーまで行かれるそうです。

「道を直しもって来たけん昼になった。けど、ちいとは歩きようなったじゃろ。」

 ああ~ 来るとき段差を縮めるために置いていた土嚢、あれはこの人が置いてくれてたのか。石仏を彫るだけでなく、道の整備もやってくれていたとはー90歳に近い独居老人。毎日ここまで登ってくるのでも大変なのに、荷物を運びながら、作業をしながらだったのです。

 帰り道には新しい土嚢が準備されていました。

なるほど、土を詰めるのは現地でするんですね。そして必要なところに置いておくらしいです。

おちばだらけの階段

 これはまだいい方で、竹藪のそばに来ると笹の葉が積もるほど落ちています。竹の葉って滑りやすいんですよね。来るときには落ち葉がいっぱいだった道を、葉っぱを中央に掃き寄せて、左右を歩きやすいようにしてくれていました。ちなみにこの道、案内板に寄れば登山道ではなくてハイキングコースだそうです。

 横峰寺でも、毎日登山道を掃除しているというおじいさんに会いましたが、ここにもいたのですねえ。

 目に見えない心遣いを目の当たりにしたことで、本当にありがたいことだと感謝しながら歩きました。どうかあのおじいさん、元気で長生きされますように。

 そしてわたしたちは無事下山。思いがけない出会いと、次は笠松山へと言う目標ができて、今回もいい山登りでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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光明岩

2021-06-06 00:56:43 | 山登り・里山歩き
 
 昨日の案内板の写真を拡大して再掲します。
 わたしたちは右端の下の方から ▼の世田山という場所まで登りました。そこから笠松山へ行くにはいったん下ってまた登り、ほぼ平坦に見える尾根の道を行けばいいのです。
 
 


 山なのに木が少ないのは、この辺り一帯が火事で焼けてはげ山になったからなんです。10年以上たって、今はこのくらいに復活しています。
 
 
 世田山から下る道は2本あって、1本が笠松山に通じる道だと言うことは分かっていました。そしてもう1本の道は・・・・ あとで思い出したのですが、遠足の時何人かの子どもと先生が偵察に行って、何もなかったと言って帰って来た道でした。
 わたしたち、すっかり忘れていて、あのときの子どもと同じように偵察に行ってみたのです。するとー
 
 しばらく下ったら階段が現れました。ということは?
 何かある。
 この手すり、根元が腐ってぐらぐらでした。
 
 
 しかし、何もなくてまた眺望が開けました。そしてまた下り坂になっているのでした。
 正面に見えるのが笠松山だと思うのですが

 そこになが~い階段が。

 
 え? あそこを登っていくの?
 そうだと思うけど。
 すごい階段だね。
 はあ~ 階段に弱い私はため息をつきました。
 さっきのあの降り口からあの階段に続くん?
 頂上はどこなんだろ。
 
 と、思いがけず下から年配の女性が登ってきました。といってもわたしたちよりは若そうでしたが。
「こんにちわ」と挨拶しましたが女性はここまで来ず、なんと道に生えているワラビのシダを刈りだしたのです。
 
 「あの人に聞いてみようか。」と、Aさんが声をかけました。やはり階段は笠松山に登るためのもので、階段を上りきったら尾根伝いに右に進んで
 
 
一番高いところに鉄塔がある、そこが頂上だと言うことでした。
 
 
 うわあ、世田山から30分て聞いていたのに、とてもとても30分では行けそうにない距離でした。あの階段にすっかり心が萎えたわたしたちは、笠山までの縦走をあきらめ、下山することにしました。
 
 その女性が草刈りをしていた道を指している標識
 



 これについて聞いてみると、 自分たちがこの岩に行く道を歩きやすくしたのだと言います。ここから歩いて10分。光明岩というなんだかありがたそうな岩に行ってから帰ることにしました。
 
 まだ山火事の跡が残っています。
 
 
 土は粗い小石の混じった、運動場に敷かれている土と同じ土でした。
 観光案内には石灰岩と書かれていました。 とにかく これ、滑りやすいんです。道幅は50㎝もないと思います。気をつけなければ。
 岩へ行くにはさらに下ると言うことなので
 
 所々に咲いていたつつじを見ながら

 
 ワラビを採りたい誘惑にかられながら
 
 
 そしてビーズをばらまいたような小石でいっぱいの下り道を滑りそうになりながら歩きました。
 そして


 
 いきなり現れた巨大岩
 しかし足元はかなり滑りやすく、傾斜の急な下り坂。しばらく行こうかどうしようか迷ったのですが、岩の下に見えている書き物が気になって、ついに下り始めました。
 
 
 

 
 自然の造形ってすばらしい。近くで見る岩はそれはそれは大きくて、人の顔に見えなくもない・・・くちばしの大きな鳥のようでもあり、天狗のようでもあり、見ようによっては不気味なんだけど、「光明岩」という名前のおかげでなんだかありがたいような気がしました。
 どうも、昔は見られなかったらしいのです。やはり先ほどの女性が道を作ってくれたおかげなのでしょうか。
 笠松山へは行けなかったけれど、思いがけずいい物を見られたので満足して帰ることにしました。
 
 笠松山の階段を眺めたところまで帰ってくると、先ほどの女性が階段を上っていくところでした。すごい、作業をして、今から笠松山の頂上へ行くのか・・・・




 女性は一度も立ち止まらず、速度を変えることもなく、ゆっくりと着実に登っていきました。いいところを教えて頂いてありがとうございました。わたしたち、本当に感謝の念を抱きながら見送りました。
 
 ところで、岩の裾に置いてあった書き物ですがー



 「ゆっくりでいいですから、マイペースで登ってこれる自分をほめてあげましょう。お友だちが増えるとなおさらいいですねぇー」
 
 あそこまでたどり着いたわたしたちへのご褒美のような言葉なのでした。
 
 
 
 
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世田山へ

2021-06-05 08:38:31 | 山登り・里山歩き

 娘に、笹倉(さぞう)湿原が前より狭くなっていると聞いて、早いうちに行かなくちゃ、そのためには日頃から足腰を鍛えなくちゃ、近くの山に登って慣れなくちゃ、と、心に火がついたババ友3人です。多分山登りの記事が増えると思いますのでカテゴリーをつくりました。

 まずは近くの山でトレーニング。世田山に登ることにしました。できれば笠松山まで行きたいねえと元気よく出発。

 世田山というのは、写真の右端の方の山です。

 ふもとに世田薬師という大きなお寺があって、その横から登ります。この道は奥の院に通じる道なので階段状に整備されています。3人とも以前登ったことがあるし、1本道なのでまず迷うことはないでしょう。

 カッコウやホトトギスの鳴く道をのんびりと。

 木で土止めをされた階段は段差の大きいところもあり、そんなところは土嚢がおかれて、段差を縮めてくれていました。横峰さんと同じように、ボランティアでお参りがしやすいように働いてくれている人がいるのだなあと感謝しながら登りました。

 途中まで行くと

 テレビの「何これ珍百景」で紹介されたというお不動さんにつきました。私は知らなかったのですが、大きな岩を一人で彫って、今も彫り続けていると言うことでした。

 

 

 後ろの炎は岩が足りなかったのでセメントで作ったらしいです。少し登った道のすぐ横から見ることができました。

 これを彫っている人が世田薬師の近くに住んでいる90近いおじいさんだと言うことです。

 こんなところまでどうやってセメントを運んだのかしらねえ。この山道を毎日登ってくるってすごいねえ。感心しながらさらに進むと

 奥の院

 


 石段のど真ん中に大きな岩が。

 

  頂上につきました。ここまで約1時間。

 立派な休憩所がありました。

 

 あいにくどんよりとした空気ではっきりと見えませんが、東は瀬戸内海。なんでも、元日にはここへご来光を拝みに来る人もいるんだそうです。

 手前の横に走る直線は、多分建設中の高速道路だと思います。

 標高 さざんが く つまり339メートル。本州の山々に比べたら、丘みたいなものですけど、結構はあはあ言いながら登ってきました。

 

 この山を挟んで西に周越農道が今治市に向かって走っています。

 南には石鎚連峰が見渡せます。

 たしかこの近くに大きな岩があったはず。

 これです。

 

 その先はなかなかスリルのある場所で、断崖絶壁から絶景が見えるのです。

もう20年近く前になりますが、遠足でここに登ったとき、子どもたちは競って端っこの岩に登りたがりました。さすがにそれは制止しましたが、結構端っこまで行って景色を眺めたものです。今ではとても考えられないことです。

 

 きれいな景色を堪能したところで笠松山へ向かいましょう。

と、その前にこちらへ行ったらどうなるのかな? 笠松山へ続く道の他に、もう1本頂上から下りていく道があったので、ちょっとだけその道を下ってみることにしました。そしてわたしたちの山歩きは予想外の展開にーつづくー

 

 

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おいしそうに熟れたけど

2021-06-04 00:03:31 | 野菜・果物・料理など
 うぉっ、かわいい。おいしそう。
 

 
 梅雨どきにあかくなるしゃしゃぶ。 子どもの頃、このしゃしゃぶとユスラウメとが畑の端っこに並んで植えてあって、雨上がりを待ってよく採りに行きました。
 
 
 
 麦刈りが終わればはったい粉(むぎこがし?)そしてナワシロを作る頃には焼き米、ジャガイモが取れれば塩ゆでのジャガイモ。甘いお菓子などはそうそう食べさせてはもらえず、おやつは自分の家で採れた物と決まっていました。あの頃、よく熟れたゆすらとシャシャブはおいしかった。
 
 
 で、おいしそうなのを探していると、枝がぐにゅっと動いて、ヘビだったりするのです。多分雨を避けて高いところに避難してたんだと思います。
 一粒つまんで食べてみましたが、私が記憶していた味よりはずっと渋く、酸っぱく、あまりたくさん食べようとは思いませんでした。食べ物が豊富になって、美味しい物が簡単に手に入るようになって、舌が贅沢になってしまったのでしょうね。
 シャシャブよりはユスラの方が渋みがないだけおいしかったと思うし、見た目にも可愛かったですが、最近ユスラの木を見たことがありません。
 
 今、実家にはもう一つ赤くなっているのがありまして、
 
 
 桑の実です。
 

 
 子どもの頃の思い出の中に、桑の実はありません。 多分、もう蚕を飼うための桑はどこにもなかったと思います。母は戦時中に育ちましたので、桑の実が相当おいしかった記憶があったようです。いつも懐かしそうに「おいしかった、おいしかった。」というものですから、私は自分の家の畑に鑑賞用として売られていた桑の苗木をうえました。そうしたらどんどん大きくなって、実がなって、それが母の言うとおりおいしかったのです。母はとても喜びました。そして自分でも桑の木を植えたのです。それがこの木。
 しかし、なぜか、私の木ほどおいしくないんだと言ってました。
 思い出に浸りながら食べた桑の実は・・・・・
 やはりちょっと水っぽく、あまりおいしくはありませんでした。見た目はおいしそうなんですけどねえ。
 
 

 鳥さえも食べないのかしら。つついた跡もありません。でも、こういう木が1本あると、華やかです。
 
   家ではそろそろびわが熟れ始めました。このびわもわたしはちょっと酸っぱいと思うのですが、夫はまだ良く色づいてなくても平気で食べています。酢の物などは嫌いなくせに、果物はこんなものだと思っているようです。甘夏柑なども、相当酸っぱいと思うけれど夫は仕事の合間に採って食べていました。わたしは母が炭酸や砂糖をまぶして甘く食べやすいようにしてくれてましたから、生の酸っぱさには耐えられません。
 
 
 要するに、私はプロが育てたおいしい果物の味を知ってしまったので、味にうるさいだけなんです。わたしは完熟して落ちてきたのしか食べません。完熟したのはおいしいですよ。
 もう一つ見かけ倒しの果物、アンズ。
 
 
 この色、いかにもおいしそうで、いい匂いもするし。

 
 これは他所のお家の木なので写真を撮るだけですが、花もとてもかわいいのです。


 
 
 けど、酸味が強くて生食には向きません。多分、ジャムにしたらおいしいだろうなあ。
 
 何年か前に脚立に登ってこの実を採っているのを見たことがありますが、今は収穫してないみたい。そして年々花が少なくなって、実も減ってきているようです。木も年をとったのですかね。この木は他にあるのを見たことがありません。密かに花や実を楽しみにしている木なので、どうぞいつまでもここにあってほしいと思っています。
 
 
 




 
 
 
 
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保存しておいたわらびとたけのこ

2021-06-02 21:17:22 | 野菜・果物・料理など

  旬の頃たくさん頂いて食べきれなかったわらびやたけのこ。

 ワラビは少し塩漬けにしてみました。使うときは完全に塩抜きをすると言うことなので、遠慮せずめちゃくちゃ塩を入れました。

 水が上がってきたらざっと水気を切って冷蔵庫へ入れて約1ヶ月。

 塩の結晶がついています。相当からそう。



 そろそろ使ってみましょうか。水を何回も、しょっぱくなくなるまでとりかえました。わらびがもとのふっくらした姿になってきました。

 

 さらに、食べやすい長さに切って水にさらしました。ちょっとかじってみて塩気を感じなくなってから普通にだしと醤油、みりん、砂糖で煮ました。

 

 たけのこは

 ブロ友に教えて頂いたとおり、食べるときの大きさに切ってから砂糖をまぶして冷凍。

 去年友人から、砂糖をまぶすといいと教えてもらったのですが茹でたときの大きいまま冷凍したのです。すると調理するとき解凍して小さく切らなければなりません。それをいつものように煮てもなにか食感がすかすかしてイマイチでした。それが、切って冷凍したら、鍋にだし汁を煮立てて冷凍のまま入れるだけ。超簡単、食感も生の時とほとんど変わらず大成功。

 もう一つ、半ば竹とも言っていいたけのこ

 えぐみもあるし捨てようかなあと思ったのですが、これもブロ友さんがしていた干したけのこにしてみました。

 いくつかレシピを検索したところ、どうも戻すのに時間がかかるらしい。それならば薄く切って、ちらし寿司の具か山菜おこわの具にしようと、はじめっから使い道を決めて切ってみました。

 晴天続きの4月、ごくごく薄く切ったたけのこは1日で縮まり3日もするとカラカラになって、切り干し大根のようになりました。これも袋に入れて念のため冷蔵庫で保管。

 



 
 水で戻すとなぜか水が白く濁って、たけのこも真っ白になりました。もとのたけのこの食感が戻るまでに丸一日かかりました。


 細かく切ってワラビと一緒に煮て・・・・
 山菜おこわかちらし寿司にしようと思ったけど
 


 なんだか面倒くさくなって、まぜごはんにしました。たけのこのえぐみは最後まで残りましたが、これくらい小さく切ると気にならなくなりました。そして、たけのこの歯触りがしゃきしゃきとしていい感じ。

 たけのこもワラビも大成功だったので、来年はもう少したくさん保存しておこうかな。

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