うぉっ、かわいい。おいしそう。
梅雨どきにあかくなるしゃしゃぶ。 子どもの頃、このしゃしゃぶとユスラウメとが畑の端っこに並んで植えてあって、雨上がりを待ってよく採りに行きました。
麦刈りが終わればはったい粉(むぎこがし?)そしてナワシロを作る頃には焼き米、ジャガイモが取れれば塩ゆでのジャガイモ。甘いお菓子などはそうそう食べさせてはもらえず、おやつは自分の家で採れた物と決まっていました。あの頃、よく熟れたゆすらとシャシャブはおいしかった。
で、おいしそうなのを探していると、枝がぐにゅっと動いて、ヘビだったりするのです。多分雨を避けて高いところに避難してたんだと思います。
一粒つまんで食べてみましたが、私が記憶していた味よりはずっと渋く、酸っぱく、あまりたくさん食べようとは思いませんでした。食べ物が豊富になって、美味しい物が簡単に手に入るようになって、舌が贅沢になってしまったのでしょうね。
シャシャブよりはユスラの方が渋みがないだけおいしかったと思うし、見た目にも可愛かったですが、最近ユスラの木を見たことがありません。
今、実家にはもう一つ赤くなっているのがありまして、
桑の実です。
子どもの頃の思い出の中に、桑の実はありません。 多分、もう蚕を飼うための桑はどこにもなかったと思います。母は戦時中に育ちましたので、桑の実が相当おいしかった記憶があったようです。いつも懐かしそうに「おいしかった、おいしかった。」というものですから、私は自分の家の畑に鑑賞用として売られていた桑の苗木をうえました。そうしたらどんどん大きくなって、実がなって、それが母の言うとおりおいしかったのです。母はとても喜びました。そして自分でも桑の木を植えたのです。それがこの木。
しかし、なぜか、私の木ほどおいしくないんだと言ってました。
思い出に浸りながら食べた桑の実は・・・・・
やはりちょっと水っぽく、あまりおいしくはありませんでした。見た目はおいしそうなんですけどねえ。
鳥さえも食べないのかしら。つついた跡もありません。でも、こういう木が1本あると、華やかです。
家ではそろそろびわが熟れ始めました。このびわもわたしはちょっと酸っぱいと思うのですが、夫はまだ良く色づいてなくても平気で食べています。酢の物などは嫌いなくせに、果物はこんなものだと思っているようです。甘夏柑なども、相当酸っぱいと思うけれど夫は仕事の合間に採って食べていました。わたしは母が炭酸や砂糖をまぶして甘く食べやすいようにしてくれてましたから、生の酸っぱさには耐えられません。
要するに、私はプロが育てたおいしい果物の味を知ってしまったので、味にうるさいだけなんです。わたしは完熟して落ちてきたのしか食べません。完熟したのはおいしいですよ。
もう一つ見かけ倒しの果物、アンズ。
この色、いかにもおいしそうで、いい匂いもするし。
これは他所のお家の木なので写真を撮るだけですが、花もとてもかわいいのです。
けど、酸味が強くて生食には向きません。多分、ジャムにしたらおいしいだろうなあ。
何年か前に脚立に登ってこの実を採っているのを見たことがありますが、今は収穫してないみたい。そして年々花が少なくなって、実も減ってきているようです。木も年をとったのですかね。この木は他にあるのを見たことがありません。密かに花や実を楽しみにしている木なので、どうぞいつまでもここにあってほしいと思っています。