冬に咲く花はどれも好きです。 サザンカ、椿、水仙、梅・・・・ たいていの花はうちにあるけれど蝋梅(ロウバイ)だけはありませんでした。 蝋でコーティングしたような透明がかった花びら、直線的に伸びた枝ー、寒さに耐えて咲く凜とした美しさがあります。
そのロウバイの苗をやっと手に入れたのは6年前、K小学校に赴任したときです。 園芸好きの校務員さんが種を蒔いたら、たくさん芽が出て、苗を校庭にも植え、残りをみんなで分けたのだそうです。 まだ2本余っているからと、下さいました。
わたしは1本をはたけのすみに、1本を鉢植えにしました。 残念ながら鉢植えは枯れてしまいましたが、畑に植えた1本は無事に育って今、1メートル足らずの木になっています。
植えてから3年目、校庭のロウバイは花を咲かせました。 校務員さんのうちのも咲いたそうです。ところがうちのロウバイは待てど暮らせど蕾を付けず、翌年も、またその翌年も夏に葉っぱだけを茂らせておりました。 そして6年目、ようやく蕾を付けたのです。
久々にロウバイを見に行きましたら、2,3輪花を咲かせていました。 やっぱりいい、かわいい。
蕾を数えたら、初咲きにしては多く、53個もありました。 6年間力をためて一気に花を咲かせようとがんばったんですね。
こちらは道ばたにあるおうちのロウバイ。 こぢんまりと形よく枝を整えて、びっしりと花を咲かせています。 毎日通るたびにそこだけにぎやかな町の灯りがあるようで楽しみです。 もう1ヶ月くらい咲いています。 ある女性園芸士さんがロウバイのことを「天然のイルミネーション」と称していましたが、「なるほど」と思わせる咲きっぷりです。
こちらはロウバイの実。 遠くからでも目立つ黒々と厳つい実で、あの可憐な花がこんな実をつけるなんて、と驚いてしまいます。