屋久島

ヒゲの同級生に、「　マエちゃん　」　と呼ぶのがいる。
ヒゲの事は、　「　ガッしゃん　」　だ。
熊本で商売していたのだが、今は　“　屋久島　”　で釣りして暮らしている！
何という幸せ者だ！！

小学生時代の友達もいないヒゲと、四人ピンポンで一緒に遊んでくれた数少ない同級生だ。
他の者より大きく手を拡げて、水平に球を打っていたのを、今でも思い出す。

世界遺産になる前の屋久島　～～～
旅行に行く、妹・トン子が　「　土産は何がいい？　」　と。
「　少しでいいから、屋久島の　『　コケ　』　ば取ってけ　（！？）　」
なんという、兄ちゃんでしょう　（笑）
そして、我が家の裏庭の湿地に張付けました。
一ヵ月後、覗いて見ると、活きてはいたのですが、色あせておりました。　（苦）

ある日、マエちゃんから贈り物が。　屋久島の亀の手や珍しい貝だ。
驚くような大きさ！　屋久島は、まだ恐竜が住んでいるのか　？？　（笑）
携帯電話でカァちゃんが礼を言っただけでは失礼だからと、
律儀な（？）ヒゲは、手紙を書くと約束。
それから、長～い時が　・・・　店の閉店問題やら、何やら　・・・
やっと、御礼状が書けたのは、一年半後のことでした（！？）

フィールド物は、まるでダメヒゲ。　（　６/２５　のブログ参照　）
どっこい、陸（オカ）はダメでも、海ならまかせろ？！　
水を得た魚の様に、マリーン・スポーツなら任せてよのヒゲ。
７/５　のブログの雄姿は、遊びに行った海で、マエちゃんと偶然会った時のものだ。
屋久島なら、　（カッパ）天国並みに楽しめたかも知れないな？
病気が残念だ！　

　　　　　　　　　　　　　　〔　送ってもらった写真です　〕

　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　

五時起きって、早い？

開店まもなく、階段のドアが開きます。
早い御出勤（？）組の常連さん、卸し問屋・○○屋の専務です。
ヒゲとは妙に気が合う、酒飲み仲間。
「　ヤァ、　大将　（ヒゲの事）　！　　暑かですなぁ～　」
「　いらっしゃいませ！　今日は、どちらさんと？　」
「　アサヒ・ビールが来ますもんな。　」

先に一杯飲みながら、話が進みます。
「　大将、最近私は、　はよー　（早く）　目の覚むっとですよ。　五時ですバイ　」
　　　「　ワァ、　そらーぁ　早過ぎっですよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　年寄りのごたっですね　（笑・笑）　！　」
「　そん代わり、夜は九時になると、寝ろうごたっですもん。　」
「　テレビ観るヒマもなかですね！　」

アサヒさんも到着。
専務は自家製干し物、アサヒさんは天ぷらを注文。
浪ヤンがいつもの様に、天ぷらの銘々皿を置いた時でした。
一番端の若い方が、　「　こっ、こっ、これは　？？
　　　　　　　　　　まさか柿右衛門　？！！　ですよね。　」　　固まっておられます。
専務　「　ほォーッ、お前にそぎゃんとの解るタイね　（笑）」

話は、栄通り田園時代　～～
専務　「　今でこそ、スーパードライで売れるようになったばってん、
　　　　　　あの頃は売れ残って大ゴツしたですわ！　」　
「　あの旭日マークの、旭ビールでしょう　（笑）」　　　　　　　　
「　もう、こいつらも、あのビンを知っているのが、少のうなったですバイ。　」

「　ど、私は酒ばもらおう！　美少年の神力ば燗つけて。　」
そして、いつまでもレジにへばり付いてるあけみママちゃんに
「　女将さぁ～ん！　一杯如何ですか？　いつもアサヒ・ビールがお世話になっております。　」
と、お声が掛かります。

やがて、「　浪さ～ん！　そろそろ童謡ば御願いします。　」
ＣＤがプログラムされ、カウンターのスピーカーから流れ始めます。
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
今どきの、若い営業マンの方は、余り御存知ないみたいです。
どうも、教科書からは、多く外されているとか？
「　どうや、童謡聴きながら、日本酒をいただく！　これが最高たい。　」

「　大将、そろそろ御無礼します！　明日も早かもんで。　」
「　専務、ほんなコツ早かですバイ。
　　その五時ていう時間は、ちょうど我々の寝る頃ですタイ　（爆）！　」

そして、時は流れ、主客入れ替わり（？）、今は五時起きのヒゲ。
猫・トンから起こされたり、トイレ起きしたら、そのまま目が覚めて寝つけません。
今度は、ヒゲが専務から笑われる番が？！

ヘボ将棋

４．５日前、アソウ＆自民が、　「　都議選に負けても、そんなの関係ネェー　」　と。
負けゲームでも、　“　責任は別にある　”　と予防線を張っているので、思い出した。
　　　『　　ヘボ将棋　　疲れていると　　負け用意　　』
指す前より、具合が悪いから負けても当然と言い訳を用意してあるのを皮肉るものだ。
『　疲れていると　』　の所を、今では　『　二日酔いだと　』　とか　『　寝不足だからと　』
のバリエもある。


都議選の朝、ＴＶ　“　サンプロ　”　の経済コメンターに、あの悪人　“　竹蔵　”　が登場！
自民党は、誰もこれを止める事が出来なかったのか？
こんなのを朝から見たら、有権者はマスマス頭に来るんじゃぁ？？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
火に油を注ぐような竹蔵の顔見せで、投票結果を見るまでもなく　・・・
自公過半数割れを心配（？）したのだ。


ヒゲが大好き（？）な小泉孝太郎の、クレーム処理ドラマでのセリフ　～～
「　みんな、心の中で泣いているんですよ。　」　　　よう言うた！
それなら、お前の親父にも言うたれ！！
「　国民はみんな、心の中で怒っているんですよ。　」　　　　　
クレーム国民は、もう目をつぶって民主党に入れるか、当て付けで共産党に入れるしか
手が無いのだ。
イチかバチかで２６歳の新人に投票するしかない都民は泣いているんですよ！？　
民主党に投票するしかない国民も怖いのだ。


　　あのグリーン・スパンでさえ、自らの過ちを認めたのに、
　　　　　　　　　　　　　　　　　いつもいつもＴＶで言い訳ザンマイの竹蔵。
　　こんなのをシャーシャーと朝から出すから、言わんこっちゃない大負け将棋？？

　 　こんな悲しい（？）時の水曜日（１５日）には、顔王丸にでも行って
　　　　　　　　　　　　中国の華人になぐさめてもらおう！
　　　　　　　　　　　　それとも、蓮舫さんから祝い酒でも注いでもらおうか！

梅雨と階段

まだ元気な頃のヒゲは、一日一升酒が普通。
そして、飲みに出ると二升酒になり、さすがに次の日は　“　二日酔　”　になります。
それでも、ちゃんと仕入れは済ませ、種を調理場に渡すと、
どっと疲れて休みたい所ですが　・・・。
店主がサボると、志気に触ります。
そんな時、ヒゲはタワシとクレンザーを持って、ビルの階段に向かいます。
そして、頭を空っぽにして、普段、掃除出来ない階段をひたすら磨き上げるのです。
田園の階段に、何か白い粉が残っているなぁと言う日は、
実はヒゲの二日酔いの時だったのです　（笑）。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　～　　ヒゲが　“　ムカムカ　（？）　”　しながら磨いた階段　～

そんなある日、雨がある程度降るなぁという時、ヒゲは色々なサイズの石ころを持って
階段に向かいました。
そこには、階段からの雨を集めて流す５ｃｍ程の排水溝が　・・・
その　“　みぞ　”　に、玉ジャリを積んで滝を落とし、苔石を中央に置いて流水を分けたり、
止めてしまって横に氾濫させ、笹舟を置いて　・・・　。

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　～　このイメージなんですよねぇ　～

どんな雨日でも、しゃにむに階段からおいでになる御客様が多い田園。
そんな方を、何か仕掛けしてお迎えしたいヒゲの　“　オフザケ　”　でした。

おっと、次はＣＤのプログラムだ　・・・
先ずは、　『　トタン屋根に落ちる雨音　』　から始め、　次は　『　Ｂ・バカラック　』　か？
『　小川のせせらぎ　』　『　Ｒａｉｎ　Ｄｒｏｐ　』
ここいらで、　『　ビキタンの鳴き声　』　でも入れて　・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　
そうだ、刺し身の付け合わせに　『　水玉胡瓜　』　を用意させなくっちゃ　・・・　

リハビリ

昨日までの酒飲み仲間がリハビリ仲間になった、とのメールをもらった御嬢へ

ナースに、　「　そうやって転倒した人もいるんです。」　と注意されて　・・・
ここだけの話、実は、そのツコケタ人の中にヒゲもいるんです。（笑）
やっと歩けるようになったヒゲは、トイレと称して散歩を始めました。　
その途中、向こうからナースが歩いてきます。
ジャマにならないよう左に避けたら、そのナースさんも同じ側に。
それではと、右にカジを切ったら、彼女も再び同じ側に。
と、その瞬間、ヒゲの足は付いて行けずに、コロリとコケたので御座いました。
同じ頃、リハビリ室でウォーキング　　　「　ふむふむ、今日は調子がいいな！　」
頭に乗って、スピードを上げたヒゲ　・・・　左足が追いつかず、もろ転倒してしまいました。
慌てたリハの先生　「　大丈夫ですか？　」
「　なーに、少し転んでケガするぐらいじゃなかと、リハビリにならんですバイ　（笑）」　と
強がるヒゲでした。

もう１０年も経つのに、中々進まないリハ。
水前寺清子の　“　三歩進んで、二歩下がる　”　の歌どころじゃなく、
『　たった一日、リハを休む　』　だけで、　“　一歩下がれば、四歩下がる！！　”
毎日、少しムリする位を続けて、やっと歩ける距離をキープ出来るんです。

御嬢のお父上じゃないけど、ヒゲも午前中にリハすると、やっぱり昼食後はグッタリします。
ヒゲ的には、　“　ソウとウツ　”　状態が交互に気持ちを支配します。
気が乗らない時は、ばったりとリハできません。　“　一歩下がれば　”　になります。

今、ちょっと左手が動けるようになりました。
もう三週間程になりますか、テレビを見る時に、左手の　“　開いて、閉じて　”　を
繰り返していました。
お陰で、車の運転の時、今迄ギアを両手でチェンジしていたのを、
もたもたでも左手だけで出来て、嬉しい！！

所がどっこい、左手が良くなると、左足が腹を立てます。
あっちを立てれば、こっちが立たず　（笑）　こうして、出たり入ったりのリハが続くのです。

さて、今週は、日赤散歩のリハでもやってみようかな？
お父上を冷やかしながら。
お見舞いは、　『　日本酒　』　に限るか？？？
　

ロンゲスト・デイ ～ 片山家の一番長い日・後編

「　しもた！　カァちゃん、妹ば出すとば忘れとった！　」　とヒゲ。
「　そうたい、そうたい。　」　と持って来た大袋をまさぐる。
新茶家の女将も見守る。
見付け出した　『　トンカツ　』　の写真を、ヒゲの所に置くと
「　びっくりしたぁ！　本当に猫ば連れて来てると思った！？　」　とトン子（カァちゃんの妹）。
片山家では、長女が晴美（ハー子）で次女がトンカツなのだ。
女将も猫好きらしく、猫談義で盛り上がる。
　　　　　　　　　　　　
やがて、舞台では　『　おてもやん　』　が演じられる。
徳島の御両親にも、大層に喜んで頂けているようだ。
歌に合わせるかの様に、強肴に　“　肥後の三神器（？）盛り　”　が出る。
　　　　～～　馬刺し　・　辛子蓮根　・　ぐるぐる　～～
そして、ヒゲは、その馬刺しの色を見て、ジェラシーしました。
当たり前の事ですが、切りたてなのです。
田園の板場は、手が速（？）過ぎて、とても切りたてをお出しするのは間に合わなかった
からです。
従って、予め切っておくのです　・・・　すると、まるで　“　スーパーの肉パック　”　みたいに
“　鮮赤色　”　に発色しているんです　（苦笑）。
勿論、食感は、切りたての　“　なめらかさ　”　がはるかに上。

ここで、ヒゲは座敷の端に行って、足を伸ばして横に。
途中で、こういうモードが入ると、結構長持ちできるのだ。
トヨポンが、心配して寄ってきたから、　「　ほんなら、酒ば持ってきて！！　」
　　　＝＝　この時の写真は、５/１２　のブログに　＝＝

再び席に戻り、第二ラウンド　・・・　みんな、調子良さそうだ。
ここで、花嫁のハー子からヒゲ父に、花が。
片山家の事情を熟知しているトヨポンの計らいだった。　彼女らしい心遣いが嬉しい。
ここに、ミスターＴの迷セリフが出て、あけみカァちゃんに何か一言という。
困ったカァちゃんは、ヒゲに成り代わり、送り出す娘に感謝の言葉を話し始める。
ヒゲの長期入院の看病を支えてくれたことを　・・・
　（　オイ、オイ、それは禁句だ、ルール違反じゃないか！　）
大泣きさせられて、お花を頂くことに。　

宴はお開きになり、ヒゲの両親を送り、ヒゲも先に自宅へ戻り休憩。
やがて、三々五々にハー子以外の片山ファミリーが戻ってくる。
カァちゃんの妹・トン子もヒゲ兄の命令で、強制的に二次会出席。
トヨポンからの差し入れの　“　三色鯛焼き　”　を預かって。
　　　＝＝　５/１７のブログに、鯛焼きの写真　＝＝

やがて、ワインが開けられる頃には、小峯の　『　王家亭　』　から支那料理の出前が到着。
再び大宴会の始まりだ。
嫁に来た時は、ビール一杯で引っくり返っていた長男の嫁さんも、
今は立派に片山家の大酒飲みに。
ここ（王家亭）の料理は、割とコッテリ系だから、ダラダラ飲む時でも味落ちしないので、
具合が宜しい。
留守番のトンカツも、今日は天敵　（長男とトン子）　が多くて劣勢だ。
追い肴に、Ｎ・チーズとＦ・パンも　・・・
こうして、片山家の長い日が終わったので御座います。

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　《　大酒飲み片山一家の四夫婦　》

タマがるコツばい？

語源は、　『　キ○タマが　縮み上がる程　驚いた出来事　』　でしょうか？
シャバは、信じられない事が続出し、下手なフィクションより、はるかにおもろい。
最近あった　“　とつけむにゃーコツ　”　　“　ウソのごたるコツバイ　”　から　・・・

　　石川遼、ＯＢ連発で苦しくなって、あのアプローチ・ショット。
　　　　　解説者も思わず　「　ちょっと、強い！　」　と叫び、又グリーン・オーバーで
いよいよダメかと見ていたら、なんと　「　ガチャン　」　と激しくピンに当たる音がして、
そのままチップ・イン・イーグル！！　なんという事だ。

　　　横須賀市長選、まさかの敗戦！
　　　　　　　　　　Ｋ泉王国の神奈川県で、何が起きたのか？
「　俺様が応援している候補だぞ！　日本一のソーリーの俺が推しているのに、ナゼだ？！　」
と言ったとか？
国民は、怒っているのだ！　この分では、静岡県まで伝染するか？

　　　高校生３人組、三角関係のもつれで殺人事件。
　　　　　　　　　　　痴情のハテの凶行とは、今どきの高校生もやるもんだ。
大学はどこでも入れるから、そんな下ネタばかり考えているのか？　日本はどうなるのだ？
　　　　　　　　　　　　　　三角関数でも、しっかり勉強しろ！

　　Ｍ・ジャクソン、死してマスコミ軍を踊らす？！
　　　　　　　　　俺の子二人は、自分の種じゃない？？　　ヒェーツ！
　　　　　　　　　これって　　『　スリラー　』　　なの？

　　「　俺にソーリーをさせろ！　
　　　　　　　　　　　　　　　　　そしたら、あわれな自民党も、日本一の人気者の俺のお陰で、
　　　　　　　　　　　　　　　　　選挙も楽勝だ？！　どうする？　」　と東○原とかが。
これって、自民党がコケにされてるの？　　それとも、日本国民がバカにされてるの？
馬鹿売れ芸人で、劇場型選挙すれば、いつでも国民は騙されるとか？！
　　　　　　　　　　

猫とアジの物語

先日、初めて　『　（デンマーク産！？）　アジの干物　』　なるものを買ってみた。
『　高所恐怖症（！）　』　で、ブサイクな我が家の猫・トンの為でもあった。

いつもは、地アジを仕入れて、開いて塩して、ベランダ干し。
当然、猫・トンの目と鼻の先に、アジがぶら下がっているのに、何の悪さもしないのだ（？！）。
店での自家製干し物は、田園ビルの屋上を利用していたのだが、
いつの間にか、ノラ猫が引いていって、油断もスキもなかったと言うのに。

　　　　　　　　　　　　

さぁて、干しあがった　・・・
焼いてテーブルに出すや、たちまち、トンがやって来る。
「　早く、ちょうだいニャン！　」　カカァがむしるのももどかしく、頭を皿に突っ込んでくる。

ところが、デンマーク・アジを焼いた時の事です。
いつもの様に、テーブルに皿が置かれても、トンは近よりもしません。
まさに、　『　美味しんぼ・猫の好物　』　そのまんまのシーンです。
カカァが呼ぶと、テーブルに上がってきました。
むしった身を手に乗せると、渋々、仕方なく、お付き合い食べで、
そっぽ向いて行ってしまいました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
デカいばかりで、ウロコも付いたまま、風味も悪い輸入物。
何がかなしうて、水産国ニッポンで、こんな物喰わされるんや。
美味しんぼ風オチなら、　『　猫より味の解らん、日本人の舌　』　と言う事か。
味オンチのアメ公のグローバル経済の下請け日本とは言え、こんな不味い味覚まで
マネしないでいいと思うけど　・・・　。

　　ただ今、お昼寝　（夕寝？）　中です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　暑くなると、籐の感触がお気に召すようで・・・

二十三回忌

今でも、ヒゲは、胸の傷がキリキリ痛む時がある。
ドラマ　『　監察医　○子　』　等で、体にメスが入るシーンを見る瞬間です。
ついでに、肋骨もボキボキと折り拡げられるようで、思わず飛び出ている骨を
撫でてしまいます。

お客と　“　バカ話　”　が出来るようになったのは、術後３年ぐらいしてからでしょうか？
「　二枚目者同志だけん、　（同じ病気になるのは）　しょんなかったたい！？　」　とヒゲ。
客　「　だぁれも、思うとらん！　言いもせんたい！　」
イケメン系ヒゲだから、裕次郎と同じ病気になったと主張？？

　　　　　　

ドラマ・シーンそのまま、　『　生還率３％　』　解離性大動脈瘤の手術。
助かる率が３％なんて、そんな恐ろしいトンネルに、貴方は入れますか！！
ヒゲも、訳の解らないまま、トンネルに放り込まれたので御座います。
ヒゲ　　「　やっぱり、二枚目で、大酒飲み（！）で、ヨット好きがイカンだったろうか？　」
お客　　「　マスター、大酒飲みは認むるタイ。　裕次郎もよう飲みよったげな！　」

　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝＝　信じられないでしょうが、ヒゲですよ！　＝＝

さて、こんな夜は、ブランデーでも傾けようか、あるいは、ウィスキーあおって　・・・

　　　　おいらは　ブロガー　　Ｂ級なブロガー　　
　　　　　　　　　　　安酒あおって　　　ペンを叩きゃ　　（ジャ、ジャ、チャーン）　　　

　　　　　　　　　　「　エイ！　めんどうだい！　　まとめて　かかってきやがれー　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《　酒を呼ぶ男・ヒゲのテーマ　》　より　

天然物 ～ ハマグリ

最近、ＮＨＫの　『　熊本の風　』　『　テツタビ　』　等で、熊本の天然蛤が、
俄かにクローズ・アップされている。
熊本も、やっと規格外品をリリースする事を始めたのだ。

そんな保護漁のルールもない、四半世紀前の話です。
四月に入ると、仕入れの度に、ヒゲがじーっと　“　のぞき込む　”　物があります。
そして、ある瞬間、がばーっと仕入れて帰ります。
一晩砂を抜いて、付き出しに使うのです。
丸々太ったアサリを、酒蒸しにするのですが　・・・　。
一般には、酒だけで仕上げます。
それを、ヒゲは、チョッとイレギュラーに、鰹だしの吸地にたっぷりの酒とアサリを入れて
蒸し上げます。
こうしておくと、時間が経つと　“　干からびる　”　酒だけの仕上げに較べ、
長くふっくら蒸しがキープ出来るのです！
後に、西銀座・田園で、　『　酒仙の会　』　に、この料理を出した時、
　　　　　　「　マスター、このアサリば見て！　殻から身のはみ出しよるバイ！　」　と
喜ばれた事がありました。

付き出しの後、コウセイの専務から声が掛かります。
「　コウイチ、後の魚は何のあるかい？　」　　「　はぁい、今日のボラは良かですよ！　」
「　ウン、そっで良か。　所で、知っとるや？　
　　今はなぁ、韓国からアサリば持って来て、有明会にしば～らく置いとくと、
　　『　国産品　』　で売ってよかっぞ！　」
「　ハァー！　なるほどですね　・・・　？　」

　　　　　　　～　有明海の干潟　～

ボラは骨抜きが少ない　（　二本半しかない　）　から、一人仕事をしているヒゲには有難い魚。
皮引きには、ちょっとコツがいる。　　な～に、いつもより下手に引くのがコツだ。
上手に引くと、　“　青黒っぽい　”　皮が薄っすらと表面を覆い、見た目が悪すぎる。

しばらくして、再び声が。
「　オーイ、今日は、ほんなもん　（国産）　のハマグリはおるかい？
　　　　　　　　　　　　　　　　・・・　そんなら、焼き蛤にしてもらおうか！　」
やがて、ヒゲも席に呼ばれます。　　「　お～い、　コウイチー　」
「　お陰で、久し振りに、蛤のほんな　（　本当の　）　焼き方に会うたバイ。　」
「　あれって、アタリ前の焼き方じゃなかっですか？　」
「　そっがな、今は居酒屋でん料理屋でん、な～んも知らんで、チョーッガイも切らんで焼くけん、
　　蛤の　“　パカーッ　”　て開いて、貝汁の無くなってしもうとるたい。　」
ヒゲは、思わず　　「　ワァ、ハッ、ハッ　」
「　おどん達は、あん汁が美味かったい。　」
「　まぁ、今日のごつ焼くとは、少しは大変ですけど、そるが仕事だけんですね！　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
さて、熊本も、やっと蛤保護ルールを作ったのだから、
今度は、それを上手に使う啓蒙活動が大事になりますね。
ここが、熊本の一番苦手なところ。
大変でしょうが、新幹線が走るまでには、努力しましょうね？！