長期入院

入院生活も、もう二ヶ月を越えてしまった。
カァちゃんが、嫌味な笑いを浮かべながら言った。
「　あーたは、ここの病院生活がちょうど似合っているんじゃない？
　　一日中、　“　ゴロゴロ　”　しているのが嫌いじゃないし。　」
「　ワッハッハー　」　と高笑いまで添えて。
な、な、なんと　・・・　言うに事欠いて、旦那様をゴロゴロ呼ばわり！
まるで、スルメイカの胆を積み上げたみたいに。
　　　　　　（＊　ゴロと言うんです。お節介かな？）
ズボラで寝てばかりのヒゲは、入院生活が苦にならないだろうと、
主張されているのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
長期入院とは、ある種の入牢生活に似ているのかな？
罰則的には、　『　自由　』　刑みたいだが。
拷問はなく、罪人の自由を無くす事で、ペナルティーを与える。
ヒゲも、自由はまるでない生活を二ヶ月以上も強いられております。
もう、いい加減ウンザリしています。
ついでに、此処での不自由刑を羅列してみると　・・・・・

《　食事・時間　》
　上げ膳据え膳の生活で、ヒゲの性格にマッチしているだろうと、カカァは揶揄
　しますが、そんな楽なもんでもありません。
　一日三度の決まった時間の食事は、ありがたい。
　しかし、ヒゲ的には、偶には好きな時間に、好きな量を食べたい。
　せめて、昼飯を抜く自由さが欲しい。

《　食事・内容　》
　喰っちゃ寝の天国生活で、文句は言えないけれど　・・・
　食事制限のないヒゲみたいな患者には、何時も決まった定食パターンでなく、
　時には、生臭モノに酒でも頂きたい。　（笑）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
《　トイレ　》
　リハビリや入浴のタイム・スケジュールに合わせながらの排便。
　流れ作業みたいに連れに来られるから、時間にせかせられて座薬に頼ってしまう。
　辛いものがあります。
　ヒゲは個室だから、他人様を気遣うことなく何時でも良いから、マシな方でしょうが？
　強制排便なんて、慣れたくない習慣です。
　我が家での、トンを足元に置いての、自由な排便が懐かしい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　《　テレビ　》
　入院中の唯一の愉しみは、テレビを観る事でしょうが、此処みたいにチャンネルが
　少ないところでは、ヒゲが楽しめるのはありません。
　我が家で観れたドラマや映画が懐かしい。

《　ペット　》
　愛猫の美人ネコに逢いたい。
　ヒゲに逢えないから、ストレスでも溜めていないだろうか？
　可哀相だぁ～！
　撫で撫でして、お互いに癒されたい。

《　ネオン　》
　偶には、ベッドから抜け出して、シャバの青い灯・赤い灯を点滴しないと、
　栄養失調になりまっせ！

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