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古い曲が気になる

ロッド・スチュワートのYou Got A Nerve

2011-10-16 | 日記・エッセイ・コラム

                         

 昨夜、九州の森本くんと電話で、ロッド・スチュワートのアルバム『 Foot Loose & Fancy Free  明日へのキック・オフ』の話になった。

明日へのキック・オフ(紙ジャケット SHM-CD)

 このアルバムが発売されたのは、1977年(昭和52年)のこと。そのとき、森本くんは大学生で、わたしはよく「これ、どういう詞?」と、ロックの歌詞の意味をたずねた。わたしの拙い英語より、バリバリの現役国立大学生の森本くんの英語力は、はるかに優っている。森本くんは英語が得意だったようだし、洋楽をよく聴いて知っていた。発売前の新譜のテスト盤でも、すぐにだいたいの歌詞の意味を教えてくれた。

 このアルバムからは、『 You're In My Heart  胸につのる想い』がヒットしたが、わたしが好きな曲で、森本くんに「この歌詞で、ちょっとわからないとこがあるんだけど、訳してくれない?」といったのは、B面の You Got A Nerve だった。森本くんは、その場で日本語訳を書いてくれた。

 この歌は、恋人に裏切られ、ふられた男の歌なのだが、状況はせつない。人が訪ねてきてドアを開けると、ある日突然じぶんを捨てて消えた、その、むかしの恋人の女が立っていて、抱きついてきて泣く、という描写から歌いだされる。その状況が、映像としてイメージできる優れた歌で、それを表現するロッド・スチュワートの歌唱もみごとだ。わたしは、このアルバムのなかで特に好きな曲だ。

    ロッド・スチュワート You Got A Nerve http://www.youtube.com/watch?v=YiQT1vAFxeY&feature=related

 「何も言わず、突然、君がいなくなって、ずいぶん心配したんだ。北風の寒い冬は、どこでどうしているか、と、君を思ったものだ。ところが君は、俺の友だちの、金持ちの男とブラジルで暮らしているという。それを聞いたときは、信じられなかった。俺は、ただの馬鹿なお人好しだったわけだ。今さらむかしのようにというわけにはいかないよ。出ていってくれないか。いま、俺には恋人がいるんだ。美人だよ。もう出て行ってくれ、お願いだ、出て行ってくれないか……かって君を愛したけど、いまは愛しちゃいない、お願いだ、出て行ってくれ」

 かなり大雑把な内容説明だが、そんなような歌なのだ。で、わたしが気になったのは、この、恋人がいるんだ、美人だ 'Cause I have a woman so beautiful
というところが、悔しまぎれのウソ、見栄・ハッタリで言っているのか? あるいは、ほんとに新しい彼女がいて、よりを戻したいと押しかけてきたむかしの恋人を、本気で追い出したいのか? ここが、この歌で歌われる情景で気になるところなのだ。(おそよ歌だから、どうでもいいことなのだが……)

'Cause I have a woman so beautiful
For you I could no longer wait
Please go away you may spoil everything
Your love has turned up too late

Go away, go away
Please, please go away
I loved you once
I don't love you now
Please, please go away

           

 このアルバムのなかで、この曲のまえの歌は、『イフ・ラヴィング・ユー・イズ・ロング (If Loving You Is Wrong) I Don't Want to Be Right 』だ。これはまた、せっぱつまって悲劇的な状況の男女の恋の歌。70年代のR&Bの名曲だ。

 男が歌う場合は、結婚している男が、妻じゃない女を愛してしまった、その浮気の言い訳を綿々と歌う。女が歌う場合は、結婚している男に恋をしている愛人の立場で、人になんと言われようと、わたしはこの愛をつらぬくわ、と歌うわけ。

 この曲の話など、またあす。

    ロッド・スチュワート (If Loving You Is Wrong) I Don't Want to Be Right   http://www.youtube.com/watch?v=MSraNppM_aA&feature=related