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古い曲が気になる

『悲しき天使』は、ロシアの曲

2011-10-05 | 日記・エッセイ・コラム

                     

    メリー・ホプキン Those Were The Days (悲しき天使)http://www.youtube.com/watch?v=iNIIwqafrO4&NR=1

 商店のBGMや街頭のスピーカーから流れる音楽、テレビのCMのバックミュージックが気になるのは、職業病の後遺症だが、テレビの化粧品のCMで、Those Were The Days が流れていた。それが気になった。

 この曲は、『悲しき天使』という邦題で、メリー・ホプキンのヴァージョンが大ヒットした。プロデュースは、ビートルズのポール・マッカートニーだ。創設したばかりのアップル・レコードから発売になった。アップル・レコード最初のレコードで、最初のナンバーワン・ヒットだ。1968年(昭和43年)のこと。(この年わたしはレコード屋になった)。

Post Card

 聴くとすぐ気づくように、この曲 Those Were The Days のオリジナルは、ロシアの曲。ソビエト時代のロシアの流行歌(ポップス)だ。

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 オリジナルのタイトルは、Дорогой длинною (長い道)。(邦題『悲しき天使』は、ロシア語のオリジナル・タイトルとも、英語のタイトルとも、まったく関係ない)

 作曲は、ボリス・イワノビッチ・フォーミン Борис Иванович Фомин、作詞がコンスタンチン・ポドレフスキー Константин Подревский 。クレツマーといわれる東欧・ロシアのユダヤ人の伝統音楽の様式で作曲されている。最初のレコードは、1926年に発表された。

   アレキサンドル・ベルティンスキー Дорогой длинною  http://www.youtube.com/watch?v=LVQ3TplZxMA 

                            

 この曲は、亡命ロシア人によってアメリカに伝えられ、ロシア・東欧ユダヤ人コミュニティーで歌い継がれていた。

 そして、作者不明のロシア民謡として広まっていたこの曲に、1962年、アメリカ人のジーン・ラスキンが英詩をつけて、グリニッジヴィレッジのコーヒーハウスやロンドンのクラブで妻とデュオで歌っていた。

Raskingene

 ジーン・ラスキンは、ライムライターズのアルバムにこの曲を提供している。このヴァージョンが、ジーン・ラスキンが妻フランチェスカと歌って、ポール・マッカートニーがロンドンのクラブで聴いたThose Were The Days にちかいのではないだろうか。

   ライムライターズ  Those Were The Days  http://www.youtube.com/watch?v=2O5EeBjxhiY&feature=related

           

   イェフゲニー・ワレリビッチ・デャトロフ Дорогой длинною   http://www.youtube.com/watch?v=WwxPDQOZUf4 

   ピスニャーレ Дорогой длинною http://www.youtube.com/watch?v=e9TgdJc_CGE&feature=related

        赤軍合唱団 Дорогой длинною  http://www.youtube.com/watch?v=gSf6t9f-17w&feature=related

                

 スロベニアのシンガー Manca Izmajlova (どう発音するのか、日本語でどう表記するべきか、皆目わからない。マンサ・イマロワ? だろうか? スロベニア語のアルファベットから勉強しなくちゃいかんな)のДорогой длинною (Those Were The Days )がとてもいい。

   Manca Izmajlova  Дорогой длинною http://www.youtube.com/watch?v=vd5q1Ioo588&feature=related

   

 フランス語ヴァージョンは、ダリダが歌った。

   ダリダ Le temps des fleurs http://www.youtube.com/watch?v=R767GxyU_w0