tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

民主主義は病気に罹りやすいもの 

2023年05月08日 13時04分44秒 | 政治
ロシアのウクライナ侵攻については、これはロシアとウクライナの戦いというより人類社会における民主主義と専制主義(独裁主義)の戦いだという見方が言われます。

民主主義と専制(独裁]主義のどちらが人類にとって良いのかと言えば、人類は長い歴史の中で次第に多くの国が民主主義を選んで来ているという事になるのでしょう。

「主義」などという言葉も言い換えれば、民主主義はより多くの人が喜ぶ世の中で、専制(独裁)主義は、特定の人(人達)が喜ぶ世の中という事になるのでしょう。

それならば、「より多くの人が喜ぶ世の中」の方が良いに決まっていると誰でも考えるでしょうが、未だに「特定の人達が喜ぶ世の中」がはびころうとしています。

もともと、この特定の人達というのは、昔は腕力の強い人達、お金を持っている人達ということになるのでしょうが、今はこれに「政治力の強い人達」が入るのでしょうか。


政治力の強い人たちは、政治という権力を利用して腕力もお金も自分たちのものとして専制(独裁)的な立場に立てるからでしょう。

プーチンは20年以上もかけて政治力を使い、権力と金力を握り独裁政権を確立して来ました。習近平は、似たような道を進むのではないかと心配されています。
ミャンマーではフライン将軍が腕力で権力と金力を握り、独裁政権を作っています。

権力を握られてしまうと、腕力のない国民大衆は、屈従を強いられたり、権力の宣伝に騙されたりで「より多くの人が喜ぶ」民主主義にしていくことは容易ではありません。

そうならないためには選挙制度を正しく利用しなければならないのですが、それが単なる人気投票になったり、偽宣伝に惑わされたり、金に釣られたりしますと、それに乗って独裁者が生まれるのでしょう。

選挙制度の適切な活用に失敗してで独裁者が生れないようにするためにと、私も
民主主義のトリセツ」を書きまいたが、もっと本格的な「民主主義のトリセツ」が大いに議論されなければならない世の中になっていると考えています。

こんなふうに考えてみますと民主主義というのは「病気に罹り易い」ものだという気がしてきます。余程頑張って民主主義を守る体制を考えていかないと、民主主義は病気に罹りやすく、一旦罹ると治すのは容易ではないように思われます。

上に挙げたロシア、中国、ミャンマーなどは、もうはっきり専制主義、独裁主義になってしまっているという事なのでしょうが、そこまで行かなくても、国民の多くが喜んでいない状態になっている国も多いわけで、日本もそういう国の中に入っているのかもしれません。

であれば、日本の民主主義もすでに病気に罹っているという事になるのかもしれません。
一見、健全な民主主義国の様に見える日本ですが、本当に民主主義国の名に恥じないという自信のある日本でしょうか。
この点も少し考えてみる必要があるのではないかという気がします。