tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本の民主主義はかなり重症?

2023年05月09日 14時53分59秒 | 経済
前回は、民主主義というシステムが結構病気に罹りやすいという点を見てきました。
ところで日本は民主主義国をもって任じていますが、日本の民主主義も病気に罹っているのではないかという点を取り上げてみました。

というのも、民主主義をもって任ずる国であるのに、ここ2代の総理の暗殺を狙った事件があり阿部総理は凶弾に倒れ、岸田総理の場合は失敗に終わりましたが、これは、まともな民主主義の国では異常な出来事でしょう。

しかも、大統領や首相の暗殺といった場合、その実行犯は、何らかの組織の意思によってそうした行動を取るのが普通だと考えられますが、日本の今回の2件については、そうした組織的背景がない個人的な犯行らしいという事が、また異常です。

正常な民主主義社会では在り得ない事、必要のない事でしょう。
もし、政権がより多くの国民の意思を代表していないとなれば、選挙によって政権を交代させることで目標を達することが出来るのが民主主義だからです。

という事で、問題の第1は、選挙制度が存在しているのに、首相暗殺といったことが起きるのは、選挙制度を活用しても政権を変えることが出来ないという挫折感から発するという事になるのが一般的な推論でしょう。(政権交代の可能性がない? 何故??)

第2の問題は実行犯に組織的背景がないらしいという事でしょう。これは、民主主義が病んでいるだけではなく(病んでいるから)、人の心も病んでいるという推論になります。

こう考えてみると、今回の連続した2つの事件から見えてくるのは、日本は、民主主義社会という形の下で、国民の中にかなり重篤な、国の在り方の現状を否定するような異常なマグマが鬱屈した形で溜っているような状態ではないのかという事です。

これは一体どういうことで、原因は何処にあり、対策は何なのかを、政権党も野党も、国民全体も、少し確りと考えてみなければならに問題ではないでしょうか。

翻って、国際社会の中での日本人のといった面から日本人の考え方や行動を見てみますと、一般的には、自制心や責任感は確りしていて、スポーツの応援などに熱狂しても、その中で必要な公徳心は維持し、後始末などはきちんとするとか、落し物が返ってくる稀有の国といった評判は今でもあるようです。

ただ、こうした日本人の一般的評価とは裏腹に、日本人の日本の政治家に対する信頼度が最近異常に低くなってきている事が大変気になるところです。

嘗て70%を超えていた衆院選の投票率は50%をいくらか超える程度で低迷、最近の地方選では50%割れが当たり前のようです。

最近の衆院選の自民党得票率は38%(公明15%)で、投票率に掛ければ有権者の僅か20%ほど。有権者の20%ほどの支持で議席は過半数を得て、公明党の協力で絶対多数で、強行採決をすれば何でもできる。それでは何でも閣議決定で決めておけばいいという態度なのかと思う人もいるでしょい。

一方、野党は俺が俺がで小党分立、政権などは夢のまた夢。自分の言う事がTVから聞こえることが目的なのかなどと揶揄される状態に見えるようです。

民主主義の取扱い方が下手なのでしょうか、こうして国民の意思が政治に反映されなくても国政は進んでいくのです。(やっぱり「民主主義のトリセツ」が必要らしい)

進んでいく先が良ければいいのですが、国民1人当たりのGDPは、かつての世界のベストテンの常連から30番近くまで落ち、世界から不審の目で見られている状態です。

やっぱり、日本の民主主義は病んでいるのではないでしょうか。