tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政府・自民党はいよいよ増税論議ですね

2022年12月07日 15時54分30秒 | 経済
ロシアのウクライナ侵攻は、何とか平穏を保ってきた世界に衝撃を与え、これからの世界は安心して平穏を期待できないのではないかという危機意識を齎しました。

日本もその影響を受けて防衛予算倍増、GDOの1%から2%へなどという雰囲気が政府・自民党中心に生まれています。
ウクライナ問題が終息すれば、また意識が変わるのでしょうが、今はあらゆる無理をしても防衛予算拡大が至上命題のような雰囲気です。

財源の検討もなく防衛予算拡大に走り、振り向けば、ついてくるのは「増税」です。

政府・自民党は、先ず富裕層への増税の検討に入ったようです。

富裕層という表現を使えば、今、急速に増えている低所得に悩む層の共感を得られるというのが狙いかも知れませんが、年間所得が5億円とか10億円とかいう人たちを狙ってみても税収は知れています。

解説によれば、5億以上の人は1600人、10億以上の人は600人という事だそうで、その人たちだけに負担してもらえれば、済むというものではないでしょう。

これ以上の層は富裕層と決めれば、それを超えてえいる人はそのすぐ下まで所得を下げるでしょう。富裕層課税ではなくて、きめの細かい累進構造がまともな考え方でしょう
はっきりと所得税の累進度の見直し(強化)と最初からいうべきでしょう。

そしてその際の基本理念は、政府の望む中流層の所得水準であり、その拡大を創出する支えになる所得税制という視点を見誤らない事です。

政府・自民党は、高所得の人は資産も多いから、これも一緒に考えるという方向だそうですが、資産課税はいろいろ問題がります。

所得が多いから資産も多いといっても蓄積した資産は所得税を払った後のものです。無駄遣いしないで蓄積した資産にまた課税では二重課税でしょう。
この辺の制度の立て方はかなり難しい所でしょう。ならば相続税強化で取りますか。

資産の大きい人ほど資産の増え方が早いという事で、これはキャピタルゲインによるところが大きいという見方が強いようで、キャピタルゲイン課税の考え方も出て来る可能性は大きいように思われます。

ならばます、利子配当収入の様な付加価値の配分と、マネーゲームでの単なる貨幣価値の移動だけのキャピタルゲインの峻別が必要でしょう。
今はともに20%の分離課税ですが、税は付加価値の増加にかかるという根本原則を考えれば、当然そうなるはずです。

更にキャピタルゲインにもいろいろあります。デイトレどころか秒トレのデリバティブ取引で何億儲ける場合もあれば、好きな会社に5年10年投資して、株価上がり何100万円のキャピタルゲインを得たといった場合もあります。キャピタルゲインだから同じ税率という事でいいのでしょうか。

最後に、日本がいくら防衛費を増やしても中国は日本の3倍の防衛予算です、中国を仮想敵国などと考える愚かさに気づき、中国と真剣に友好関係を築くことを考えるべきでしょう。
腹を割って話し合える相手に、突然戦争を仕掛けるなどはあり得ません。

そうすれば、増税分はそのまま格差社会解消のための予算になり、中流層の拡大を目指して日本経済社会は大きく変わるでしょう。
政権が何を選択するかで、日本の将来はいくらでも変わるのです。