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人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人権団体の国際協調の動きは貴重

2022年12月10日 13時42分04秒 | 国際関係
人権団体の国際協調の動きは貴重
今年のノーベル平和賞にベラルーシの人権活動家アレン・ビャリャツキさんとロシア人権活動団体「メモリアル」とウクライナの人権団体「市民自由センター」が選ばれました。

世界中が心配しつつ見守っているロシアのウクライナ侵攻問題のさなか、この二国の人権団体とロシアと深い関係を持つベラルーシの人権活動家をノーベル賞受賞者として選んだノーベル賞選考委員会の知恵に絶大な賛意を示す人は多いでしょう。

ベラルーシのビャリャツキさんは、は反政府運動で現在収監中という事で、授賞式には夫人が出席されるとのことですが、ロシアの「メモリアル」の幹部の方達は世界のマスコミからの取材に対して積極的に発言をされているようです。

「メモリアル」の存在は今回初めて知った人が多いでしょう。ロシア国内でも厳しい言論統制の中でこの組織の存在は余り知られていなかったようです。

今回の受賞で初めて知り、驚き、喜び、何らかに希望を見異だしているロシアの人々多いと思わせる報道が多くみられます。

「メモリアル」自体、解散を命じられ、異議申し立ては、ウクライナ侵攻と同時に棄却され、解散命令の中にあるとのことですが、「メモリアル」幹部のヤン・ラチンスキーさんは、受章は大きな力になる、ロシアはこれから変わる、と積極的な発言をしているとのことです。

ウクライナの「市民自由センター」は、ロシアの侵攻以来、戦争犯罪に記録に取り組んでいて、受章は喜びと力になる、自由と平和、民主主義のために、この活動をさらに積極的に続けていくことを表明しているようです。

こうした報道から多くの人が現場における現実、権力によって隠された真実を知ることが出来ます。独裁者の専横と抑圧の中で、報道の自由の制限から隠されていた真実を部分的にでも実感として受け取ることが出来ることは貴重です。

独裁者への反抗は至難でしょう、それを国際連帯の力で、少しでも進捗させる力につなげることが、「国際連帯」という行動の、更なる可能性の拡大を齎していくのではないでしょうか。

何処の国にも自由と平和、そして民主主義を望む人はいるのです。そうした人たちを繋ぎ、縦の抑圧を時間をかけても切り崩す横の連帯・協調は、これからも地球社会の平和と安定のなめに必要であり続けるのではないでしょうか。

独裁者を「引き下ろす」事の出来るのは、その国の国民だけではないでしょうか。国連にその権力がない現在、外国が関与しようとすれば、それは戦争を伴う可能性が大きなものになります。

平和のために戦争をするという事は、必然的に一方的な理屈となり、多くの人の平和な生活を破壊します。

残念ながら、今もそうした困難に世界は直面しているのです。
しかし国民の多くは平和と安定を希求しているとすれば、そうした意識の国際連帯・協調を進めることが唯一の平和的な問題解決の方途という事になるのでしょう。
ロシアにおける、今後の動きを注目するところです。