tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

仲介役(触媒)の重要性

2017年03月12日 12時14分32秒 | 国際関係
仲介役(触媒)の重要性
 自然界には色々なものがあります。その中でも「触媒」というのは「本当に不思議だな、しかし巧いものがあるものだな」と感心させられる物質です。

 最近注目を集める燃料電池は水素と酸素を化合させて水になる過程で発生する電気と熱を利用するものですが、その場合、触媒として白金などが使われるとのことです。
 家庭用の発電給湯器「エネファーム」、昨年あたりから走り始めている燃料電池車などは白金がないと機能しないのですが、白金は希少金属で高価ですから、如何に少ない白金で済ませるかとか、何とか白金に代わる物質がないかなど研究は大変なようです。

 人間社会でも「触媒」の役割をする人間がいます。
 昔会社のテニス部でテニスをしていたころ、若い部員で全く何の気配もなかった2人が、何年か後、結婚したというので、「テニスがきっかけですね」と言ったら、全然違って、偶々世話好きの上役から話があって「ああ彼女なら知ってますよ、以前一緒にテニスをしてました」という事で決まったというのが真相です、という事でした。

 国と国でもそういう事はあるのではないでしょうか。
 今朝の報道では、トランプ大統領がパレスチナのアッバス議長と電話会談をし、ビジネスマンらしく「取引で解決する時期ではないか」と早期の訪米を要請、イスラエル、パレスチナ問題の仲介に意欲を示し、アッバス側は、二国家共存方式を主張したとのことです。

 事の行方がどうなるかはわかりませんが、こうした仲介の努力をすることは大事なことと言えるでしょう。
 国家間でも、内戦・内紛でも、通常それにこだわっているのは一部の人で、大多数の人は紛争のない平和な状態を心から望んでいるのでしょう。
 こだわっている紛争当事者にしても、出来れば平和に共存したほうがいいのと頭では解っている事もあるのではないでしょうか。

 そういう心の奥底にある願望(水素と酸素が化合して水を創る潜在力)は、なかなか表面に出て来ませんが、高性能の触媒が介在ると、そこに変化が起きるのです。

 この場合、触媒はその性能が良いものでなければなりません。そして触媒の性質として、「相手は変化(化合)しても、触媒自身は全く変わらない」のです。

 スーダンの自衛隊は撤収するそうですが、PKOも国連への貢献ですが、本来「人畜無害」で平和を希求するのが日本の立場でしょう。ならば、国連の場も含めて、和平への触媒になるような強い意欲を持ってもいいのではないでしょうか。 
 触媒国家には、一朝一夕になれるものではないでしょう。しかし日本はそういう国だという事を、世界に理解してもらえるような行動を、先ず始めてみるのです。
 
 日本にはその資格があると思います。多分、今の日本には似つかわしい役割でしょう。そしてそれは、平和憲法を持つ日本の権利であり、義務かもしれません。