tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカは利上げ決定、日本は?

2017年03月16日 11時29分36秒 | 経済
アメリカは利上げ決定、日本は?
 FRBは3月の金利引き上げ0.25%(.075~1%)を決めた様です。
 アメリカ経済としては、現状、回復は順調で、雇用も改善、インフレ率も目標の2%に近づくといった情勢に適切に反応したという事でしょうが、現在の景気の堅調さがトランプ効果によるものという懸念は当然あるわけで、その点イエレン議長はいつも通り、実体経済を見極めるという慎重姿勢も崩していないようです。

 為替関連の動きは、早々と、年4回の利上げを予測してドル高を演出し、今度は、4回にはならないだろうという事で、ドル安にしたりで、ビジネス・チャンスを作り出しているようですが、こんなことでマネーマーケットは盛況、実体経済には不安定をもたらすといったマネー資本主義は、多分イエレンさんのお好みではないでしょう。

 折しも日本は春闘の集中回答日、主要大手企業のベースアップは昨年を多少下回る水準のようです。
 これは日本の経済情勢からは当然の結果でしょうが、人手不足に悩む中小企業の方が、已むにやまれず賃上げを加速するといった動きもあるようです。

 連合の提唱するサプライチェーン全体の底上げという路線から見れば、望まし事ですが、そのコストアップをサプライチェーン全体の中でどのように吸収するか、あるいは最終価格の引き上げに至るか、今後が注目されるところです。

 マスコミの論評では、賃上げが昨年より下がるようでは消費の拡大に繋がらないという見方が多いようですが、昨年の賃上げも消費拡大につながっていないようですから、消費拡大には、賃上げとは別の政策が必要だという事はこのブログでも 繰り返し述べている通りです。

 その方向とも合致するものですが、日本の金利の正常化を本気で考えるときでしょう。アメリカが頑張って利上げをする今、日本の方向転換には大きなチャンスではないでしょうか。家計の貯蓄にまともな確定利息が付くことは預金者の最低限の希望でしょう。

 為替政策としての、2%インフレ目標のための異次元金融緩和という黒田バズーカは、すでに 賞味期限切れのようです。アメリカは金利を上げても、結局ドル高は回避しようとするでしょう。今日は日銀の政策決定会合ですが、何か出てくるでしょうか。

 すべては複雑に絡んでいるのです。折角の勤勉性と実力を持ちながら、それを活用できずに閉塞状態に苦しむ日本経済、日本国民、政府・日銀には知恵が出ないのでしょうか。それにしても、この頃の国会はなにをやっているのやら。