tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

上昇に転じるか、消費者物価

2017年03月03日 11時06分45秒 | 経済
上昇に転じるか、消費者物価
 今年1月の消費者物価指数が今日、総務省から発表になり、マスコミは、「季節変動の大きい生鮮食品を除く総合」で、1年1か月ぶりプラスになり、対前年同月で0.1%の上昇と報じています。
 政府・日銀が2%の消費者物価上昇を目指しながら、なかなか上昇に転じない消費者物価ですが、漸く上昇に転じてくるのでしょうか。

 勿論庶民の願望は政府と違って、消費者物価はあまり上がらない方がいいという事ではないかと思いますが、物価が下がるのはデフレ経済を連想させ、気分を滅入らせる要因でもあるので、上昇要因を覗いてみたいと思います。

 まず基本的な3つの指標を見てみますと、
「総合指数」が+0.4%、「生鮮食品を除く総合」(コア指数)が+0.1%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」(コアコア指数)が+0.2%となっていて、「総合」の+0.4%が最も高くなっています。
 という事は、生鮮食品の価格が上昇して、「総合(全体)」を押し上げているという事でしょう。

 確かに生鮮食品は昨年1月の指数は100.8で今年1月は108.8です。上がっていますね。
 エネルギーの価格は、同じ期間に92.1から91.4に下がっていますが、月々の動きを見ますと昨年10月の88.3が底で、その後急速に上げてきています。

 こう見て来ますと、昨年1月からの物価の動きは生鮮食品のせいでプラスになったように見えますが、基本的にはもう少し底辺の動きもあるようです。
 例えば、生鮮を除く食品(加工食品)は同じ期間にコンスタントに上昇、100.9から101.5、 その他、保健医療サービスは100.6から101.6、教育費は100.4から101.9、教養娯楽費は99.3から100.2と上昇、一方、耐久消費財、情報通信関係などは相変わらず低下傾向です。

 生鮮食品は天候などにより乱高下ですが、一般的に見て、人手のかかる所では価格は上昇傾向、技術革新などで生産性が向上するモノやサービス分野は、相変わらず価格は低下傾向という事が見えてきます。

 これまで、こうした上がる分野、下がる分野のバランスで、コアコア指数といわれる、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は殆ど安定という状態だったと思います。
 しかし、人手不足がますます深刻化する様相があり、またエネルギーを含む資源価格の上昇が予想される状態になってきました。
 消費者としては、今後の消費者物価の動向には要注目といったところではないでしょうか。