tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

個人金融資産1800兆円で過去最高

2017年03月25日 13時10分36秒 | 経済
個人金融資産1800兆円で過去最高
 先日、2016年末の個人金融資産が1800兆円に達し、過去最高になったという数字が日銀から発表されました。
 GDPが約500兆円ですから、その3倍以上です。

 借金もあるよという方もおられますので、借金の方はどのくらいかといいますと391兆円ですから、純資産でも1400兆円になります。
 こうした数字は日銀の「資金循環表」に出ているもので、その中の家計部門というのを見ればわかるのですが、この中には自営業、つまり農業・漁業・商店なども入っています。法人になっているものは法人の方に入っているから家計には含まれません。

 マスコミの解説では、トランプ効果で株が上がったのが大きいなどと書いてありましたが、短期的にはそうでも、全体から見れば株式などはそう多くありません。
 1800兆円の内訳を見ますと、
   現金・預金   937兆円
   国債       25兆円
   投資信託     96兆円
   株式等     167兆円
   保険・年金等  524兆円
   その他      51兆円
   合計     1800兆円  となっています。

 現金、預金が圧倒的に多い(ゼロ金利に関わらず)のが日本の特徴で、次いで多いのは保険・年金等で日本の家計の堅実さが表れています。
 しかし、長期的に見ると、株式等が、株価水準によって増えたり減ったりしながら増加傾向、また、リーマンショック後は大きく減りましたが、その後、割合コンスタントに増加しているのが投資信託です。

 貯蓄というのは、将来の支出のために、現在の購買力を抑えていることですから、現在の日本経済が消費不振で喘いでいるのを、家計の力で何とかできないかというのがこのブログでの主張でもありますが、今の政治・社会情勢ではやはり 将来不安の方が大きい ようです。

 確かに、今の国会も、TV中継を見るのも不愉快な(といって見ている)状況です。総理大臣夫妻が、教育勅語を幼稚園児に暗唱させる学園に肩入れしたことから始まった様で、議論のプロセスで、「忖度」などという難しい日本語が、誰にも理解されるようになり、国民の国語力向上には良いかもしれませんが、もう少し本当に大事な事に力を注いでほしいと思っている人は多いと思います。