tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2016年4—6月期GDP速報の主要点

2016年08月16日 10時05分10秒 | 経済
2016年4-6月期GDP速報の主要点
 昨日、内閣府から標記統計が発表になりました。ニュースではお聞きの通り、
「季節調整済み実質値で前期比0.0パーセント成長(0.04%を四捨五入)ですから、年率(瞬間風速)に換算すれば、年率0.2パーセントでほぼ横ばい」ということでした。
 日本経済は今年に入って足踏みということでしょう。
 内訳を見て、あえて特徴点を挙げれば、4-6月期の実質家計支出の中身は家計消費は横ばい、住宅ローン金利の低下で民間住宅建設が増えましたが(+5.0%)、円高で企業設備は微減(-0.4%)、それでも国内需要は微かに増えたのですが(0.3%)、海外需要(輸出、爆買いなど)が同じほど減って、結局横ばいです。

 それでは前期比でなく、前年同期比 (去年の同じ時期に比べて)はというと、いくらか良くて0.6パーセント成長です。押し上げているのは民間住宅建設(5.6%)で民間企業設備も前年に比べれば減ってはいません(+0.6%)。
 ということは今年の1-6月が停滞ということでしょう。低金利による住宅建設が何とか支えたということになります。

 住宅建設もいくらでも伸びるものではありません、矢張り日本経済は停滞の方向に向かっていて、主因は家計消費が伸びないことでしょう。実質雇用者報酬は前年同期比2.5パーセント増えていますが、貯蓄に回る分が大きいようです。

 将来不安から30歳代の若い層でも消費が落ち、加えて、円高で企業が財布のひもを締めていることなどから、日本経済は元気がありません。

 いつも見てきているGNI(国民総所得:海外からの利子配当収入などを含めた日本経済の実力)は前年同期比1.2パーセント増えていますが、この伸び率も縮小傾向にあります。
 
 政府が笛吹けど国民は踊らずでしょうか、残念ながら、何か景色が悪くなってきました。財政と金融ばかりでなく、何か国民の気持ちが明るくなるような政策が必要なのでしょう。一億総活躍では国民はあまり納得していないようです。