goo blog サービス終了のお知らせ 

tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

原発廃止は日本経済の起爆剤?

2016年08月12日 12時00分17秒 | 経済
原発廃止は日本経済の起爆剤?
 以前「 経済成長の原動力」というテーマで、自然の恩恵の中で毎日ゆっくり暮らしているだけでは経済成長のない世界になってしまいますという趣旨の事を書きました。

 縄文以来比較的恵まれた自然の中で過ごしてきた日本人ですが、向上心と勤勉性があったからでしょうか、自然に働きかけて自然をより豊かにし、自然からその返礼を受けて自分たちの暮らしをより安心で豊かなものにするという作業を続けて来たようです。

 山の木を豊かにすれば海の魚も豊かになるとか、急流を横に蛇行させて沢山の小川に分ければ農作物がたくさん穫れるとかで、実語教(平安時代に源)には「山高きがゆえに貴からず、木あるを持って貴しとなす」とありますし、今「 里山思想」は全盛です。

 日本人は、自然が豊かになれば人間も豊かになれると考えていたようで、今でも国土の7割が森林というのは驚異的(ニュージランドやアメリカはもと7割、今3割)です。この思想は今も変わらないようです。

 こうして地道な努力をしてきた日本人ですが、今、経済が成長しなくて、国民も政府も困っています。
 こういうときは基本に返って、日本人はどのように経済成長を実現してきたかを確かめ、そこから新しい計画を立てるのがいいのでしょう。
 多分その原点は、
① 「自然」に協力し、自然と共に豊かになる
② 目標さえ決まれば向上心と勤勉性が発揮される
の2つではないでしょうか。戦後の高度成長も 目標がはっきりしていたからです。

 そこで、今日、世界で最も重要なエネルギー問題にこれを応用してみましょう。
 今、世界のエネルキー問題は、化石燃料利用から地球環境改善に向かい、原子力利用と自然エネルギー利用の主導権争いの様相です。

 この問題は日本人の考え方の源流に遡れば、自然環境を破壊する原子力利用(核分裂利用)ではなく、自然エネルギーをより高度に利用するという方向が選択されるはずです。
 日本の原発推進論者は、多分 舶来崇拝に汚染されているのでしょう。

  日本人らしく、自然との共生、自然の効率利用、自然に投資し、自然からのより多くの恩恵を受けると考えれば、今、日本は原発をやめ、自然エネルギー開発に国を挙げて邁進すべきでしょう。

 日本の優れた頭脳と大きな資本蓄積、加えて技術蓄積を活用すれば、そんなに長い期間を掛けずとも、世界で自然エネルギー利用のリーダーになることは可能でしょう。合わせ技は 蓄電技術の推進です。これも日本は世界をリードしつつあります。
 なぜなら、日本人は目標が決まれば世界一頑張るからです。

 世界の地上の3パーセントにソーラーパネルを張れば、世界の人口がアメリカ並みのエネルギーを使っても余ると言われます。太陽光、風力、地熱、波力、など自然エネルギー源は豊富で、併せて水素利用も含め蓄電技術開発などで、社会のあり方も大きく変わるでしょう。この変化は大きな需要を生み、それは経済成長の大きな原動力です。

 これは新時代の列島改造になるのかもしれません。固定資本投資中心でない、技術開発中心の列島改造です。エネルギーの制約がなくなり、エネルギーの地産地消も一般化するかもしれません。
 原子力については、廃炉技術に特化すれば、これも世界に役立つでしょう。

 今、日本社会は先行き不安にさいなまれ、士気を阻喪しています。景気対策の基本は、人々の意識を変えることにあるのではないでしょうか。