おそらく私のブログの常連様は4桁と金無垢をともに3本以上所有のロレヲタでしょうから、今更4桁について言うのは釈迦に説法というものでしょうが、先週都内の某ショップ経営者とお会いする機会があり、興味深いお話を伺いました。それは下記の通りです。
① 今後4桁のロレックスは漸次仕入れを無くして行くが、ロレックスでメンテナンスを最近行った経緯のある個体のみの販売と買取に特化していく。
② 今後ミルガウスRef.1019の仕入れはしない。
とのことでした。
それでは…、
① についてはどうであろうか。
漸次メーカーメンテが終了傾向がある現在、今後のメンテにおいてやはりメーカー以外だと、修理の〝必要上〟社外パーツでも代用してメンテする必要があり、すべてのロレパーツが入手できるわけではなく、メンテ業者によっては純正パーツをキャリバーから抜き取り、社外パーツと組み替えることもあるというから、だから、極めて最近(昨日メーカーメンテしていたからといっても今日には中味を換えられている可能性すらある)にメーカーメンテしている個体が買取には都合がよく、複数のオーナーを経由すればするほどそういったリスクは非常に高まるに決まっている。だから、店によっては販売する4桁が〝ワンオーナー物〟であることを強調する。
また一方で、その個体に関わるすべてがオリジナルでなくてはいかないという、付属品もすべてその個体のオリジナルにこだわるロレ超原理主義信奉者のロレヲタからの苦情が店の信用を無くさせるリスクが非常に高い、という、〝オリジナル性の喪失〟と〝会社の信用リスク〟があるという。
② についてはどういうことであろうか。
このミルガウスについては、希少性ではなく単に人気が失墜し、価格と個体とのアンバランスが生じているため、ショップ的には仕入れたくないヤヤコシイモデルのようです。
これは耐磁インナーケースでミルガウスとして解決されるからミルガウスの専用キャリバー(キャリバーシリアルは頭がDではなくMからが多い)1580ではなく1560が入ったものもあったりするからヤヤコシイといったことでもないらしく、実際、このモデルも手巻きデイトナとともに、昨年秋以降メーカーメンテ不可になっているようですし、また正直、希少性はありますが、1016と同じ単なる3針のオイスターパーペチュアルごときが、永年にわたって〝手巻デイトナと肉迫する価格〟であったこと自体が異常でした。
ですから、私的には最終的に〝1016+希少価値〟=130~180万円程度のプライスレンジとしています。
では私が経済不況化の今、買っておいて損はしない4桁はズバリ何かと言えば、〝手巻デイトナ、それもRef.6263/0、黒文字板〟で、できればロレックス社メンテナンス明細書付の極上品の個体が330万円以内で買えれば合格です。
箱・取説・タグ付属の個体であることに越したことはないのですが、そんな物よりも何より〝ロレックス社メンテナンス明細書〟は絶対購入条件で、もちろんそれは後から買える物ではなく、もはや受付自体終了しているのであの紙の価値数円程度のペーパー(もちろんメンテには数万円計上されていますが)が付いているかいないかで数十万円のパワーを発揮してくれるのですから。
※Ref.6263/0の選定理由は、①ロレックス社メンテを最後まで受付可能としたキャリバー727搭載の手巻クロノグラフのモデルであること、②6265/0よりも人気があること、であり、さらに6263/0の黒文字板でなければいけない理由として③ホールニューマンが晩年まで明らかに愛用していたモデルそのものであること(※一般にポールニューマンと呼ばれるエキゾチック文字板付きのデイトナは6239、6262の、一体どちらが本当のポール愛用のモデルかわからない。しかも赤巻きか白巻きかもよくわからないため)、④シルバー文字板よりも流通マーケットにおいて希少であることで、これら①~④をすべて兼ね揃えた、〝KING OF DAYTONA〟としか言いようが無いためです。
私はこの6363/0黒をシンガポーリアンに売却してしまったことを、5桁ヲタの私でも今とても悔やんでいます。
追記、私の友人の指摘から、〝君のブログ更新日以降に、ロレックス暴落、とか世界経済不況とからめたロレックス市況についての記載のある時計専門雑誌が今年になってから何冊か見受けられるが、君が投稿しているのか。〟という意見が以前ありました。このブログを拝読の諸氏にはそのように思われている方はいないでしょうけど、あれは私の意見に近いですが私の文章ではありません。ご参考にされているとは思いますが。