PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

ロレックス販売拡大に対する、ロレックスエンスーとロレックスマンの貢献度について検証する。

2005-11-05 | 社会・経済
 世界メジャーへたった100年、否、1970年代にはオジサマ方の憧れの時計としてDATE-JUSTREF.1601(下写真)が一般的なメジャーとして確立していたことからすると60年足らずでロレックス社は先輩格の多くの時計メーカーを大きく引き離した。
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 もちろんロレックスの3つの発明とそれらの実用化(防水性・自動巻・深夜零時付近での日付変更機能)という、ロレックス社を一番手企業たらしめたオリジナルのテクノロジーもあったが、それだけでは、他の時計メーカーも差こそあれ、オリジナリティーを持っていた。

〝ロレックス社と他の時計メーカーとの決定的な差異とは何であったのか。〟

 それは端的に言うと、何よりもオリジナルな〝営業力〟に他ならない。

 創業者ハンス・ウィルヘルム・ウィルスドルフ氏は経営者階級の出自であり、青年時代の職業は顧客相談係的なセールスマンであった。もちろん彼は時計に関する、実際のお客様、使用者の声を聞いていた。そんな彼であったからこそ、ロレックス社初期の顧客ニーズに細かく対応した、バブルバックの多様なダイアルにも見られる、多品種少量主義的な対応、更にはロレックス3大発明にみられる人間の欲望に対するメーカーとしての回答、特殊プロフェッショナルモデルの発案など、生前の彼がロレックス社での貢献、仕事内容というものは技術者というよりもどちらかと言えば、営業職としての立場から見た社長業であった。

 …なるほど確かに、他のブランド時計メーカーの創業者や経営者は、時計職人であり、文字盤職人であったり、ムーブメント製作職人といった、直接時計製造に関係するマイスターであった…

 そんな彼の精神は必然的に後継の社員たちにも引き継がれ、その内容はこの二冊の『ロレックスマンとしてのセールス心得』(下写真)からも伺えよう。
 このような社員用マニュアルは他産業ではしばしば一般的だが、こと、時計メーカー業界では必ずしも徹底されたものではないことを知らなければ成らない。
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 しかし、現在、〝投資が投資をよぶ〟的に〝顧客が更なる顧客をよぶ〟といった、〝ロレックス賞〟並みな、我々〝ロレックスエンスー〟による販売拡大への貢献は、時計店員が常々言うように「ロレックスは販売文句を必要としなくても売れる時計」という現実の状況下で、当のロレックス社からサラリーを享ける〝ロレックスマン〟 (セールスマン)は時計業界からどのように見られているのであろうか…私は知らない。



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