以前から,日本の雑誌では,ROLEXという会社について, 〝非公開〟,〝秘密主義〟,正規販売店では〝役所的な権威主義〟…などと,一方的な〝感情的〟個人主義でもっていろいろと掲載していますが,そもそも株式公開企業であろうとなかろうと,日本人的な細かい公開の追及に応じる必要など,一民間企業が行なう必要なんてありません。まして,どこから株式会社組織であるROLEXが,いつのまに民間法人から財団法人,という実しやかな流布が市井でまかり通っている かも疑問です。
日本ロレックスはスイスのロレックス販売会社である,ロレックスホールディング社(どうもロレックスは販売会社と製造会社を法人化しているようです)の資本を受けた子会社である旨が,日本ロレックスの会社案内(下図参照。就活にも必要)に記載されております。ましてやスイスのロレックスは〝MONTRES ROLEX S.A.〟ですし,ドイツのそれは〝ROLEX DEUTSHLAND GmbH 〟,アメリカ合衆国のそれは〝ROLEX WATCH U.S.A. Inc〟,シンガポールのそれは〝SINGAPORE ROLEX PTE.,LTD〟,そして日本のそれは〝日本ロレックス株式会社〟です(S.A.やGmbHやIncやPTE.,LTDはどれも〝株式会社〟であり財団法人=Foundationではありません)。
ロレックスが財団法人視されているのは,以前の大株主であるロレックス経営者が自己株式をその財団に移譲させたためから来る,誤解なのでしょう。このロレックス販売会社とロレックス製造会社を一元化し統括しているのが,従来から誤解の原因となっている例の財団法人なのかもしれませんが,ロレックスを購入する上でそのようなお家事情は,私のロレックスを購入する動機になりませんし,そのような〝謎〟は,始めから,〝謎でもなんでもありません〟
いづれにしましても,パテックやバセロン,ブレゲなどのメーカーには上記のようなプライベート事項迄を疑問視し,〝謎〟として取りざたされたことはありません。このように,ロレックスに対して〝謎〟〝謎〟〝謎〟と謎の呪文で探りをかけた似非ロレックスエンスーや雑誌社の好奇によって,十数年前のロレックス関連の記事掲載の時計雑誌に頻繁に見られた,故佐藤元サービス部長の貴重な談話や,若手スタッフの座談会などが掲載クローズとなったり,ロレックスという名前が雑誌媒体の商業主義に利用されるにつれて,商品のお問合せ先も日本ロレックス㈱から販売先名に変更されるようになりました。合わせて,ロビーインフォメーション横に若い警備員(郵船ビルの丸の内側から皇居側にかけて配置している数名の警備員ですが,私のオフィスのビルヂングのご同業よりもかなりな高慢な感じがします。きっと警視庁出かもしれません)も配置されました。
私は〝ロレックスの謎〟という場合,〝ロレックスウォッチの謎〟であって欲しいのです。例えば,サブマリーナRef.5513の裏蓋にRef.5512とあるのは何故かとか,本来Cal.1580搭載のはずがCal.1560であったりするのはナゼかとか,そういうレベルの〝謎〟にして欲しいのです。でもロレックスはこういった質問には返答はしません,というか兄弟会社である別会社のロレックスに聞かなければ分からないからでしょう。ただこういう類のロレヲタの質問は日本ロレックスには〝異常者〟として捉えかねられません。
私の友人は,赴任先の地方の日本ロレックスの営業所にこのような質問をしたときに,電話で〝ピッ〟という電子音が頻繁にすると言います。まさかとは思いますが,〝会話を録音〟しているのかもしれません。本当は録音する前に相手の了解を得ることは必要と思われますが。また私の体験から申しますと,サービス窓口の受付嬢も始めからクレーム対応の固い姿勢で,メンテナンス依頼の来客者と接しているところもあるようです。また,自社製品に対する自己の知識不足から来る勘違いを否定することなく,次第に怪訝な表情をするのは相互誤解の元となります。そういえば以前,丸の内の技術者の机上に〝『ロレックスの買い方』〟というロレ初心者読本があったのには非常なるショックを受けたのを記憶しています。
でも彼ら彼女らも毎日毎日,接客でお客さんから〝これはずいぶん昔に香港で買ったロレックスで…〟とか,〝クリスタル交換で王冠マークの透かしいれてないものを…〟とか,ロビーで大阪弁で大声でケータイしだすお兄さんとか…色々な下世話な話にも付き合わされて大変だと私は,ひどく同情もしています。【しかしながら,昼休みに,遥々丸の内へ行く私同様,日中に,どこかの会社の役員らしき人たちが日中来られるのも,日本経済は相変わらずタクマシイと思ったりもしていますが…】
いずれにしても,この様な問題は,日本ロレックスの一部の社員の行いであって,都内の一流企業にも色々な人物が混沌として組織の中におりますので,このこと自体,取るに足りないことです。それよりもロレックスが優秀だと感じるのは,以前にも言いましたが,心憎くも,人心をハッとさせる,そのマーケティング〝センス〟でしょう。このことの極々一つは,この本ブログ中の〝HUNTING ROLEX ADVERTISEMENTs〟の〝〝JAPANESE SWORD〟×〝ROLEX〟〟をご参照ください。
それはともかく,要するに,コレクション性のある,時計やカメラや自動車の詳細なディテールの質問をするコレクターが起こるくらいのエンスーやマニアやヲタを抱えだした,そのメーカーは,そのブランドがマーケットで成熟した証拠ともいえましょう。ただ言葉の揚げ足を取る卑劣な市井のクレマーのようなロレックスファンはただの外道クレーマーであって,ロレックス好きでも,ロレヲタでもあるとはいえません。 そのブランドが本当に好きならば,紳士的にメーカーを暖かく育てたいものです。