PATEX HUNTER

マルクス経済学の視点で、「パテック・フィリップ」と「ロレックス」の世界を中立的私見で、社会科学的に分析しています。

ロレックスキャリバー1570搭載の旧型エクスプローラー1016の今後を検証する。

2005-10-01 | 悩み
 皆様方ご存知の通り、CAL.1560ムーヴメント(ハックなし)の修理は正規メーカーでは受付けなくなり、続くCAL.1570ムーヴメントもハックファンクションの有無を問わず、現状拝見で修理を受付ける、といった状況の下で、〝正規修理のみをオリジナル〟と考えてきた方々にとっては、極めて近い将来、同じ修理扱いになるCAL.1575も考慮に入れれば、現在異常なプレミアムが付いているプロフェッショナルモデル(通称スポロレ)の全般的危機といえましょう。

 今や、手巻デイトナやRef.1016、1019までもが正規修理を受けられないといった、1950年代以前のセミバブルバックやバブルバック、バイセロイやプリンスなどの骨董品的?アンティークロレックス化へと日々シフトしていっている状況です。

 ですから、1950年代以前のアンティークロレックスなら稼動のために、一部の非オリジナルパーツを認めても、70年代前後の1016までもが正規オリジナルを維持できない、というのは、ロレックスコレクターとしては納得がいかないのは頷けます。

 一般のロレックスハンターの私から言わせて頂きますと、もちろんメーカーでのパーツ維持期間をオーバーしていても、エボーシュがバルジューのデイトナや1016は少なくとも生産終了から20年後の2008年までは維持すべきですが、相次ぐ改造品やガッチャマン対策、加えて異常加熱傾向が再熱している手巻デイトナや1655エクスプローラーⅡに〝決定的なトドメ〟を刺すためには、〝これら異常プレミアム廃盤ロレックス〟を〝正規メンテナンスの外(そと)〟に置き、…それら廃盤ロレックス封じではありませんが…、廃盤ロレックスを系譜する、バブルバックカバードや角型プリンスを継承する現行チェリーニモデルや、ミルガウス以外のスポロレを継承している各種プロフェッショナルモデルの販売拡大への帰結に寄与させることは確実といえます。

 ちなみにミルガウスの継承モデルはデイトジャストオイスタークオーツに他なりませんが、これさえもオーダー品で、現在では廃盤状態です。しかし、このオイスタークオーツが、オーディマピゲのロイヤルオークのデザイナーとして有名なジェラルドジェンタ氏によるものだとしても、プレミアムは付きそうもなさそうですが、自動巻ミルガウスの復活という、マコトシヤカな話題をシンガポールのロレックスコレクターから昨年聞きましたが、眉唾ものです。
1019が現在、200万円オーバーであり、メーカー修理が困難で、オリジナル性も喪失している現在ならば、〝ミルガウスの復活〟を待ってみるのも一興かと存じます。

 総じて言いいますと、正規メーカー修理が拒絶されたロレックスは、その価値を維持できずに、プレミアムの低下を引き起こし、終には手巻デイトナポールニューマンやエクスプローラーのショップ価格は1990年前後の安価な店頭販売に逆戻りするという危惧がありまして、その理由のひとつとして、現在、ショップは1016を集中的に、正規メーカーに〝最後〟の修理を一挙に出しているというのが現状です。

 皆さんもショップで〝正規メンテナンス修理明細書、国際修理保証書付き〟といったものをエクスプローラー1016ご購入の際に、アピールされたことがあるのではないでしょうか。

 これはCAL.1570、1575ムーヴ搭載のスポロレの全般的危機を端的に表しているといえましょう。



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