京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

福田美術館開館記念 Ⅱ期(1)上村松園、速水御舟、横山大観、竹内栖鳳、西村五雲、橋本関雪、木島櫻谷、竹久夢二

2020-01-04 16:49:29 | 美術・博物館


10月嵐山にオープンした福田美術館開館記念コレクション展のⅡ部です。
会期は11月20日(水)~2020年1月13日(月・祝)です。
Ⅱ部では特に初公開の狩野探幽筆「雲龍図」や、78年前に公開されたきり行方不明となっていた木島櫻谷「駅路之春」の幻の大作は必見です。
ここは撮影不可の印がない限り、撮影可能です。


1.和楽之図 1897~1906年 上村松園(1875ー1949)
若き日の松園の瑞々しい感性
春の野に遊ぶ、姉妹の温和な情景。幼い妹の無邪気な様子を姉二人が微笑みながら見守っている。着物、表情、仕草など至るところに松園の細やかな配慮が感じられる。









2.人形遣之図 20世紀前半 上村松園(1875ー1949)
歌麿の錦絵を松園風に
屏風を舞台に見立て、近松門左衛門の浄瑠璃「冥土の飛脚」が演じられている。
主人公たちが一つ傘を差しながら雪の中を逃避行する名場面。
「倣古図(こずにならう)」と記されたこの作品は、喜多川歌麿に錦絵を模写したもので、松園の浮世絵への関心を具体的に示す、大変珍しい例。





3.春眠 1921ー1925 速水御舟 1894ー1935
毛並みの質感までも表現する細密描写
御舟は西洋絵画や中国絵画の表現を取り入れた写実的な作風が有名。穏やかな陽射しの中で身体を丸めて眠っている猫と、新芽を膨らませた躑躅の花が、内に生命力と来る季節を感じさせる。










4.富士図 1945年頃(Ⅰ期Ⅱ期) 横山大観 1868ー1858
紙にもこだわって表現した、広大な雲海
金色に輝く旭日が昇り、果てしなく広がる雲海から雪を頂いた富士が端正な姿を見せている。
限られたモチーフを横長の画面に巧みに構成し、地上からは決して臨むことのできないゆうだいな景色を描ききった。大観渾身の作品。










5.露潤 1932年(昭和7年) 速水御舟 1894ー1935
限られた色彩で描く、夏の艶
黄蜀葵の花は朝開き、夕刻には萎れてしまうが、この絵では蕾が膨らみ、実が育っていく様子み描かれている。夏の早朝のみにみられる、黄蜀葵と蝶が生き生きと共存する光景を描き、「露潤」と題したところに御舟の創意が光る。











6.水風白鷺 1926年頃(大正14年頃) 竹内栖鳳 864ー1942
伝統の画題を革新的なタッチで
柳を一羽の鷺の組み合わせは「一路功名」と呼ばれる東洋絵画に伝統的な画題。一筋に立身出世を志して励むという意味が込められている。竹内栖鳳はその伝統を踏まえながらも筆づかいを自在に変化させ、爽やかな初夏の風景に仕上げた。










7.明け安き頃 1937年(昭和12年) 西村五雲 1877ー1938
夏の空気感を伝える爽やかな描写
五郎雲は京都に生まれ、竹内栖鳳に学んだ。朝日が差し込む気配を感じ取り、畑を素早く駆けていくイタチが、軽快な筆さばきで描かれている。つややかに実った茄子は、丸みを帯びた形が特徴的な京の伝統野菜「賀茂茄子」を思わせ、初夏の爽やかな風景がそのまま切り取られている





8.睡猿 1935ー44(昭和10年代) 橋本関雪
猿絵の名手、関雪が描く樹上の哲学者
関雪の動物画の代表作といえば、2匹のテナガザルを描いた「玄猿」。本作は「玄猿」に描かれたうちの1匹と似通った姿の猿を再構成したもの。眠気をもよおした表情は、深まりゆく秋を憂える様子が漂う。






9.馬路之春 1913年(大正2年) 木島櫻谷1877ー1938
満開の桜を感じさせる秀逸な構図
櫻谷は動物画で近年注目を集める画家。画面左側の太い幹は桜の木。花そのものは描かれていないが、地面に散り敷く花弁が満開の様子を想像させる。
この絵では金箔を画面の裏に貼る「裏箔」という手法が使われている。絹目を通り抜けた淡い輝きは、やわらかな陽光を表すのに最適。

この作品は六曲一双の屏風絵で高さは170cm、幅は375cm。1913(大正2)年の第7回文展に出品された後に個人に買い上げられ、太平洋戦争開戦前の1941(昭和16)年の追悼展で公開されて以降は公開されていない作品です。
櫻谷は横山大観や竹内栖鳳らと肩を並べる画家として知られていたが、晩年は画壇から距離を置き、長く忘れられていました。
近年独特の画面構成や色彩感覚で再評価が進んでいます。








































10.鴨東舞姫 1914年頃(大正3年頃) 竹久夢二 1884ー1932
夢二が好んだ見返り舞妓
度々京都に訪れた夢二は、背にだらりの帯を見せながら左肩越しに振り返る舞妓の姿を繰り返し描いた。京の花街に生きる、女性の凛とした佇まいが見事に表されている。






11.青い衣物の女 1913年頃(大正2年頃) 竹久夢二 1884ー1932
小粋な配色のモダンガール
女性が寄り掛かっているのは、底に灰を入れて炭をおこし、抱えて暖を取るための火鉢。
夢二らしい独特のデザインが目を引く。夢二の絵には胡粉を使って白い肌を強調した美人が多いが、彼女はやや薄化粧。








12.紅衣扇舞 1929年頃(昭和4年頃) 竹久夢二 1884ー1932
自由なデフォルメが生む色香
柳はその葉や枝のしなやかな様子から、美しい女性を例える言葉に多く使われる。
扇をかざして舞う女性は、まさに柳腰の美人。柳が風に吹かれる様子を詠じる冒険の詩句さながらに、女性は華奢な身体を揺らし、優美に舞っている。






13.南枝早春 1928年(昭和3年) 竹久夢二 1884ー1932
初々しい少女の躍動感空に高く上がった羽根を打ち返そうと、少女が羽子板をかざしている。随所に金の絵の具を用いて晴れやかな風情を表したこの絵は、「千九百二十8年師走湘南熱海旅舎」と記されているように、来る正月に飾るために描か。






続く。


新年初詣 八坂神社

2020-01-04 05:37:19 | 京都めぐり


新年明けましておめでとうございます。
年末から2日までこどもや孫が集まり、賑やかな日を過ごしていました。
やっと解放された昨日3日、遅ればせながら八坂神社に初詣に行ってきました。

比較的空いている南楼門から入ります。





舞殿





大絵馬





本殿前の行列








能舞台の前に多くの人が集まっています。
13時からの『かるた始め式』の場所取りのようです。





多くのテレビ局も集まっています。





絵馬









西楼門





毎年のことながら、四条通りの歩道は八坂神社へ初詣する人でいっぱいでした。
本年もよろしくお願いいたします。