京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京町屋 下京(1)和田邸、胡乱座、大船鉾会所、菅大臣神社、杉本家住宅、秦家住宅、長江家住宅

2020-01-10 16:50:32 | 京都の町 町屋・建造物


今回から下京区の京町屋、第1回目です。

和田邸
国登録有形文化財、景観重要建造物
下京区 新町通花屋町下る東若松町
明治/1868-1911 木造平屋建、瓦葺、建築面積98㎡1棟
新町通に西面して建っています。桁行4間梁間2間の表屋の背後に坪庭・玄関を介して、切妻屋根の台所と片流屋根の座敷を配しています。
新町通側の外観は1階の北側を出格子、南側を荒格子とし、2階には切子格子を嵌めた伝統的な京町家の表構えを保持しています。










胡乱座(旧長岡家住宅)
国登録有形文化財、景観重要建造物
下京区 醒ヶ井通綾小路下る要法寺町
明治/1897 木造2階建、瓦葺、建築面積69㎡1棟
醒ヶ井通に西面して建っています。
桁行3間梁間6間、切妻造桟瓦葺、平入2階建町家で、南側に通り庭を通し、北側床上は4畳半と6畳、6畳の3室を一列に並べ、数寄屋風を加味しています。
表は1階を出格子、上部に虫籠窓を配する。近代の京町家の好事例です。










四条町大船鉾会所
景観重要建造物、歴史的風致形成建造物
下京区 新町通四条下る四条町




















菅大臣神社
景観重要建造物
菅原道真を祭神とする神社です。
「紅梅殿・白梅殿」といわれる邸宅跡や、「菅家廊下」と称する学問所の跡があり、道真誕生の地とも伝えられています。
境内には産湯の井戸が保存されています。











杉本家住宅
重要文化財 重文指定年月日:20100629
下京区綾小路通新町西入矢田町
大正/1870 店舗部及び居室部からなる。
店舗部・木造、建築面積116.79平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺
居室部・木造、建築面積187.03平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺
「奈良屋」の屋号で1743年に京都四条烏丸に呉服商として創業し、1767年に当地に移っています
京都市街の中心部に所在する町家で、綾小路通に面して広い屋敷地を占めます。
主屋は表側の店舗部と裏手の居室部を玄関で結ぶ表屋造の形式で、主屋の後方に大蔵、隅蔵、中蔵が並び建ち、屋敷の周囲には高塀を廻らせています。
主屋は伝統的な京都の町家形式をよく示し、保存状況も良好で、市内に現存する大規模な町家建築として、高い歴史的価値を有しています。
また、江戸期の土蔵とともに、明治期から昭和初期にかけて整えられた茶室なども保存され、町家の屋敷構えをよく伝えていいます。
祇園祭伯牙山のお飾場となります。
庭園は国指定名勝

















秦家住宅
京都市指定有形文化財
秦家は祇園祭で太子山を出す町内にあり,江戸時代から薬屋を営んでいました。
主屋は表の店舗部と奥の居住部を玄関部でつないだ表屋造り形式です。
このうち店舗部と玄関部は昭和58年に本市有形文化財(建造物)に登録されたが,その後の調査で主屋居住部や土蔵も追加登録されました。
主屋は明治2年(1869)頃に建てられ、明治35年に1階床上部は改変され,2階も拡張されました。
現在,1階床上部は2列に室を配しています。奥列に8畳のザシキと6畳のナカノマを設けているが,玄関から直接ザシキに行けるように,中廊下が配されています。
土蔵の建築年代は不明ですが,材の古さから江戸時代後期の建築とみられます。
昭和初年に敷地の南から曳家し,開口部も東面から南面に付け替えています。
当家住宅は,改造はあるものの,その経緯は概ね明らかです。
主屋店舗部の外観は,階高を変えたり看板を作り付けたりして,変化に富む構成になっていいます。
また,内部も店や座敷などの主要室は洗練された意匠です。
敷地全体として,下京の伝統的商家のおもかげをよく残す住宅として貴重です。















長江家住宅 
京都市指定有形文化財
長江家は代々呉服の卸を営み、屋敷地には新町通に面して2棟の主屋が建っています。
この後方に離れ座敷と化粧部屋,さらに土蔵2棟が並びます。
当家は文政5年(1822)に,現屋敷の北寄りの部分を取得して移り住みました。現在の主屋北棟が建てられたのは慶応4年(1868)です。
明治6年(1873)にはこの背面側の敷地を買い足し,明治8年に旧蔵が購入・移建された。
さらに南寄りの敷地を買い足して,主屋南棟は明治40年に完成しました。このとき離れ座敷も建てられ,新蔵も購入・移建されました。
その後,化粧部屋や浴室が大正4年(1915)に建築されました。










京町屋外観の特徴
屋根
一階庇の最前列は一文字瓦で葺いています。
横の一直線と格子の縦の線の調合が町屋の外観美の一つです。
格子
格子は戦国時代からで、内からは外がよく見え、外からはよく見えないようになっています。
家の商いや家主の好みでデザインが異なります。
上部が切り取られた「糸屋格子」、太い連子の「麩屋格子」、「炭屋格子」、重い酒樽や米俵を扱う「酒屋格子」、「米屋格子」、繊細な「仕舞屋格子」などがあります。格子を紅殻で塗ったものが紅殻格子。
ばったり床几
元々は商いの品を並べるもので、後に腰掛け用に床几として近隣との語らいの場でした。ばったりとは棚を上げ下げするときの音からきています。
店の間の外観
軒下に水引暖簾、大戸に印暖簾を掛けます。
虫籠窓
表に面した二階が低くなっている「厨子二階」に多く見られる意匠。
防火と道行く人を見下ろさない配慮と言われています。
犬矢来
竹の犬矢来は割竹を透き間なく組んだものから、少し透かしたものまでさなざまです。
直線的な町屋の表情を和らげてくれます。


各種建造物指定の説明

国・登録有形文化財
緩やかな規制により建造物を活用しながら保存を図るため,平成8年度施行の文化財制度で,登録された建物が登録有形文化財です。
登録文化財には,築後50年を経過している建造物で,国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものといった基準を満たす建造物が対象となります。
京都市では,近代の建造物を中心に積極的に登録を進め,市内243件(平成31年1月末現在告示分)が登録されています。

景観重要建造物
 平成16年に制定された景観法に基づき,地域の自然,歴史,文化等からみて,建造物の外観が景観上の特徴を有し,地域の景観形成に重要なものについて,京都市長が当該建造物の所有者の意見を聞いて指定を行う制度です。
指定を受けた建造物には,所有者等の適正な管理義務のほか,増築や改築,外観等の変更には市長の許可が必要となりますが,相続税に係る適正評価や,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。

歴史的意匠建造物
 歴史的な意匠を有し、地域の景観のシンボル的な役割を果たしている建築物等を京都市が指定するものです。

歴史的風致形成建造物
 平成20年11月に施行された、歴史まちづくり法に記載された重点区域内の歴史的な建造物で,地域の歴史的風致を形成し,歴史的風致の維持及び向上のために保存を図る必要があると認められるもので,京都市長が建造物の所有者及び教育委員会の意見を聞いて指定した建造物。
指定を受けた建造物には,所有者等の適切な管理義務のほか,増築や改築,移転又は除却の届出が必要となりますが,建造物の外観の修理・修景に係る補助制度が活用できます。












北野天満宮の梅開花

2020-01-10 05:41:03 | 2020 花


今年も新年早々、京都御苑に続いて北野天満宮の梅も開花しました。
ここは梅の名所としても知られています。
境内のあちこちにポツポツ咲きはじめました。

























梅苑の公開は2月初旬からです。





ロウバイ









楼門





大絵馬





三光門





本殿





この時期は御守りを買う人が多いです。





御神木の「飛梅」





樹齢400年以上、全国各地の「飛梅伝説」の原種だそうです。





絵馬掛け所





天満宮と言えば、撫で牛