鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第4035回】 救急車のサイレン数の多さ

2022年01月16日 | 住宅コンサルタントとして

毎年、11月の後半になると、

朝、もしくは夕方から夜にかけて、

救急車のサイレンの音をよく聞きます。

 

特に今年は、本当に多く、

ひどい時は1日に4~5回以上、

耳にすることがあったりします。

 

この原因は、当然いろいろとあるでしょうが、

圧倒的に多いのは、ヒートショックにより、

浴室内で意識を失っていたり、

溺れてしまっている方が多いということ。

 

家庭内での死亡事故は、

交通事故よりも圧倒的に多いのです。

 

この原因は、浴室と脱衣室における、

断熱と換気が圧倒的に不足しているからです。

 

床断熱工法を採用している会社の場合、

浴室下の断熱、並びに浴室と脱衣室の間の断熱や気密が

非常に取りにくくなりがちなのですね。

 

北海道の場合、床断熱を採用する場合は、

浴室の下に断熱材の受けを設置し、

断熱材をビッチリ入れたり、ブローイングを吹くのですが、

2005年に関西に帰ってきて、

建築現場を回って浴室周辺の断熱について、

気を使って施工している会社は当時なく、

そりゃ、お風呂場が冬に寒いよなぁ、と思ったものでした。

 

浴室や脱衣室の断熱と気密を取る上で、

最も効果的なのは、

私が推している基礎断熱なんですけどね・・・。

 

ちなみに、北海道の住宅会社の大半が

基礎断熱を採用しているので、

北海道ではお風呂場が寒い、ということがありません。

 

古い家や、断熱や気密の知識が欠けている会社で、

家を建てたご家庭は、冬、本当に危険となります。

 

これを防ぐためには、家をリフォームするか、

脱衣室とお風呂場に暖房機器を置いて、

最低でも脱衣室やお風呂場の温度を

16℃以上に保つようにすることです。

 

日本の家の性能は、本当に低すぎる。

 

救急車のサイレンを冬場、耳にする度に、

いつもそう思ってしまいます。

 

冬でもあたたかい浴室で入浴可能な、

性能の高い家を広めていきたいと思っています。

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