与党が今国会での成立を考える「テロ等準備罪」、いわゆる「共謀罪」法案ですが、野党4党は廃案に向けて一致し、学者、法曹界、市民、言論界の多くが廃案、反対に一致団結してきています。
問題の大きい共謀罪、何といってもおかしいと思うのは、2人以上の者が犯罪を行なうことを話し合って合意することを処罰対象にするというところです。具体的に罪を犯していないのにもかかわらず処罰されるとは、いったいどうなっているのかと思う分けです。
これに対し、実際の犯罪行為のみを処罰し、思想や内心を処罰しないという日本の刑法の大原則からすると根本からひっくり返すことになる。
刑法は、市民の自由を保障するため、犯罪の具体的危険が明らかでない段階では国民の生活に介入しないのが原則。等々との指摘があるが、思想や内心の自由といえば憲法19条にもかかわり、刑法そのものの法体系が危うくなっていると思います。
事前に逮捕できればその方がよいと思います。
不当な逮捕の危険よりテロの危険の方が100万倍も大きいと思います。
事前逮捕ということでは、日本の刑法はすでに殺人予備罪、内乱予備陰謀罪、身代金目的誘拐罪、凶器準備集合罪など、テロで想定される多くの重大犯罪の実行(未遂)以前から取り締まる制度があります。
テロについては、日本は国連がテロ防止のためと指定している航空機不法奪取防止条約など13の国際条約を締結して、テロ対策を行っています。従いまして、これらが対処できると考えます。
共産党の目指すテロ対策と共謀罪法案とはどこが違うのですか?
本来犯罪は実行したことに対して刑罰が与えられますが、例外として重大なものについては、先に書かせて頂いた未遂についても処罰されます。また、予備が犯罪になるのはさらに例外的な場合とされています。
例えば、殺人予備罪は、殺人のため凶器を準備すると犯罪。その場合、そのための刑罰の対象は人殺しをしようとした人が、凶器を準備したなど。それ自体が危険な行為をした場合に対象となるようです。
共謀罪は実際の犯罪行為がなくてもとにかく、共謀=「相談、計画」したというだけで犯罪に問えるもの。この点が恐ろしいと考えます。
テロ対策と共謀罪法案の違いということでは、違いというより、そもそも日本共産党は共謀罪を新設する必要はないと考えています。
テロ対策には13の国際条約の締結と国内法の整備で対処できると考えているからです。