川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

検証!松阪駅西再開発事業(1)

2008-11-14 21:37:57 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は準備組合との折り合いがつかず、断念せざるを得ない状態となってきた。ここではこの事業がこれまで歩んできた道を振り返って検証をしていきたいと思います。

◆市保健医療福祉総合センター駅前への立地
 松阪駅西地区市街地再開発事業は当初、民間主導の事業としてスタートした。市の保健医療福祉総合センターをこの事業の中に組み入れるとなってから、寝耳に水に議会から反発が起こり、議論に火がついた。私たちはこのような保健施設は空気や環境のよい農村部や林間に立地すべきではないかと反対をした。しかし交通の便がよいとか検討委員会から答申があったとかで、駅西への立地が決まってしまった。他市のこのような施設を視察にいっても広い平野の中に立地されており、平屋建てか二階建てで駐車場も平面的であった。駅西にもってくると総合センターも駐車場も立体的になり、資金も多くかかることになる。

◆市議会議員有志主催の市民懇談会
 平成19年2月5日、松阪市議会議員の超党派の有志議員11名による「市民懇談会」が産業振興センターで開催された。この会にさきがけ、有志議員は数千枚の案内状を市街地を中心として配布して市民の参加を呼びかけ、当日約110名の市民が参加した。
 この会に私も参加したが、今まで議員が主催するこのような催しはなかったと聞いた。私たちはこの会で賛成派、反対派双方の市民の意見聞きたかったが、反対派の市民が場内を圧倒する形で会が進んでいった。そして本来、行政側に向けられる不満が懇談会を主催した議員たちに向けられ、私たちにとって何かしっくりしないものが残った。
 第2回の市民懇談会は3月17日に産業振興センターで開催され8名の議員と30人の市民が参加した。

◆講演会、研修会への参加
 行政側も当初「この事業は民間主導の事業だから市は口出しが出来ない」ということを繰り返してきた。しかしこの事業は国や県や市が補助金を出す都市計画事業であるので、市が口出しできないとか、市が口出しをしないというのはおかしいと、専門家からも指摘があった。市も都市計画事業をよくわからなかったのであろうか。
 実は私もこの問題が発生するまで、再開発事業や都市計画事業の知識はほとんどなかった。このためいろいろな講演会や研修会に進んで参加した。2月26日市福祉会館で行われた市議、市職員を対象とした全国市町村再開発連絡協議会顧問の横島毅氏の「市街地再開発事業について」と題する講演会。また殿町住民協議会主催の横島毅氏の講演会や共産党市議団主催の「松阪駅前再開発を考える市民集会」などに参加した。また専門書やインターネットなどで知識を広めた。

◆前代未聞の23時間ロングラン徹夜議会
 この開発の関連予算2億3400万円が平成19年3月議会で補正上程された。3月23日午前10時、この日の議会が始まった。来年度予算などの審議が終わったのが午後7時半。そのあとこの駅西再開発の是非を問う審議が始まった。時間がどんどん過ぎていっても終わる気配はなかった。ベテラン議員の話では議会が夜中の12時を越えたことは今まで一度もなかったそうだが、12時を過ぎても、いつ終わるとも知れない質疑が延々と続いた。やがて夜が明けて議員も理事者側も疲労がピークに達した24日午前9時、前代未聞の23時間の徹夜議会は終わった。結局この日、この議案には私を含め11人の議員から質問が理事者にぶっつけられた。

◆賛成19×反対13で可決
 3月29日の本会議で松阪駅西地区市街地再開発事業の関連予算の議決が行われた。討論では3人の議員が賛成討論を、私を含めて4人が反対討論を行い、採決の結果、賛成19対反対13で可決した。ベテラン議員の話では、これまで賛否がこれほどきっ抗した議案はなかったということであった。
 しかしこの事業はこれで一件落着とはいかず、このあと益々数奇な運命を歩んでいくことになる。(次回につづく)
                    平成20年11月14日  
                        松阪市議会議員  川口 保
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