川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

検証!松阪駅西再開発事業(3)

2008-11-20 22:55:59 | 思うこと
 松阪駅西地区市街地再開発事業は事実上破たん状態になりました。これまでこの事業が歩んできた道を振り返って、私なりの検証をしています。

◆市民アンケート結果
平成19年6月に松阪駅西地区市街地再開発事業について市民アンケートを実施しました。この調査では松阪駅周辺のまちづくりや活性化の在り方について尋ねたもので、2809人から回答を得ました。これによると再開発の認知度は「よく知っている」14%、「少し知っている」41%、「名称は聞いたことがある」22%、「まったく知らない」21%となった。また知っている人にこの計画でよいかを尋ねたら「この計画でよい」はわずか4%でありまた。このアンケート結果で市民に対しての説明不足や市民から理解されていないことが浮き彫りになりました。

◆駅西再開発に関する一般質問
 平成19年6月議会の一般質問では駅西地区市街地再開発事業について質問しました。この中で入札の問題、ホテルの駐車場の問題など質問しました。おもな内容は次の通りです。

問 松阪市の建設工事の発注はすべて公正、公平、透明な一般競争入札で行われている。この事業の発注はなぜ談合が起きやすい指名競争入札でおこなわれるのか。
答 組合施行であり指名競争入札が規約にうたわれている。補助金を出す行政の立場から公正、公平な事業執行を指導していきたい。

 松阪市の一般競争入札制度は、談合が起きにくく、市の職員が特定の業者に便宜を計ることができない全国に誇れるすばらしい制度があります。一方、指名競争入札では業者を特定するため談合の温床となります。今回28億円の総合福祉センターの入札を一般競争入札ですると、今までの例から約4億円の入札差金が見込めることになります。4億円も安く発注することができるのです。

問 計画のホテルの客室が136室で駐車場が20台では少なく、市の福祉センターの駐車場をホテル客に使われるのではないか。
答 福祉総合センターの駐車場はホテルに貸さない。ホテルは周辺の民間の駐車場を借り上げることで、探している。

 計画されているホテルの駐車場は20台分ほどしかなく、これは駅周辺にあるいくつかのホテルの駐車場に比べるとはるかに少ない数です。私はこのままだと福祉センターの駐車場がホテル客に使われるのではないかと心配をしたのです。福祉センターの駐車場は7階建て約300台収容の計画ですが、1台分の駐車スペースは約300万円もかかるのです。

◆商店街からは早期着工の声
 駅西再開発とは別に松阪市が取り組んでいる中心市街地活性化基本計画に合わせて平成19年8月、松阪市議会にも中心市街地活性化対策調査特別委員会(委員長 竹田哲彦)が発足しました。私も10人のメンバーの中に入りました。
 この委員会で商店関係者の案内で市内7つの商店街の現状を視察しました。このあと商店街の役員さんと意見交換をしましたが、市街地の活性化のために駅西再開発事業の早期着工を望んでみえました。
 しかし私はこの事業では市街地の活性化への影響はほとんど皆無に近いのではないかと思いました。この計画では157戸のマンションができますが、すでに駅周辺に多くのマンションができています。これらのマンションが市街地の活性化に影響を与えていないからです。

◆都市計画事業は全体から個々の事業へ
 この事業の議論の過程でしばしば三交跡地との一体となった計画はできないのか、JRの駅舎と一体となった計画はできないのか、また中心市街地活性化事業と一体となった計画はできないかとの案も出されました。しかし駅西再開発の事業が先行し、補助金の関係からそれはできないとのことでした。
 都市計画事業は始めにまち全体のかたちを考え、そのあと個々の事業をの取り組んでいくのが本来の姿であると思いますが、今回「駅西」という「点」からスタートしたのも混乱を大きくしたのではないかと思います。(次回につづく)
                        平成20年11月20日
                            松阪市議会議員 川口 保

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