川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

山中市長の辞任の表明に思う

2014-12-17 18:37:18 | 日記
 11月議会の最終日にPFIによる図書館改革の議案が、9月議会に続き再度否決された責任を取って、山中市長が辞任を表明した。よくわからない辞任騒動である。どこの自治体でも行政が提出した議案が否決されることはよくあることであるが、その時その自治体の首長が辞任することはあまり聞かない。

 松阪市においても、山中市長になってからいくつかの議案が否決されている。平成24年2月議会では、「まちづくり基本条例」「住民投票条例」「マニフェスト条例」の3つの議案が否決され、平成24年11月議会では競輪会計の「松阪競輪業務改善委託料」の2億1000万円の債務負担行為等が否決され、修正案が可決されている。また平成25年9月議会では再度上程された、「まちづくり基本条例」「住民投票条例」が否決されている。
 いずれも山中市長の強い思い入れのあった議案であったが、議案が否決されて辞任するのであれば、なぜこの時は辞任しなかったのだろうか。辞任に値しない「軽い」議案であったのだろうか。

 今回の図書館改革案は確かに山中市長にとって思い入れの深い議案であったことは感じられていたが、その市長の「思い」に市の職員たちが振り回されている印象を受けた。特に両副市長や担当部署の教育委員会の職員たちは、本会議や委員会、全員協議会などの場で説明や質問に対する答弁に追われた。
 同議案の担当委員会は文教経済委員会であり、委員会の席上でも質疑の応酬が行われた。私は委員長として進行役をさせてもらっているので、議員(委員)側にはいい質問を出してほしい、理事者側にはいい答弁をしてほしいと願っているが、同議案において議員から次々と繰り出されるどんな質問に対し、きっちりと即答されていた図書館改革推進マネージャーの答弁は見事であった。市長が責任を取ると言うのであれば、職員たちにも対して労をねぎらい、責任をとるべきであろう。

 責任を取って辞任するというのであっても、山中市長のこれまでのやり方から、次の市長選挙にも立候補することになろう。そして必ず当選できるという確信のもとでの辞任表明であろう。
 市選管の話しでは4月に市長選挙が行われるとしても、統一地方選挙と一緒にすることはできないということである。統一地方選挙が4月第2週の12日に行われるが、市長選挙を4月にすることになれば、第4週になるという。もしかすると無投票になる可能性もでてくるが、それでもポスターの掲示板や投票用紙など一通り揃えなくてはならない。

 山中市長が次の市長選挙で当選したとしても、同議案の否決が可決にかわることはない。
市議会も選挙という市民からの審判を受けた市議会議員で構成されている。そして行政運営をチェックして、時としブレーキをかけることは、二元代表制のもとで大きな役割である。この機能が失われ市長の思うがまま、行政のいいなりでは、議会の存在はなくなる。
 山中市長も尊敬する我孫子市の福島元市長が、松阪で講演されたとき言われた言葉が印象に残っている「私が提出した議案が否決されるのは悔しいが、それは議会が機能していることで、喜ばしいことである」。

 そしてこの図書館問題はもう少し冷静になった方がいいのではないかと思う。かつてその時点で最善として提案された競輪事業改革案が議会で否決され、その後松阪市にとってより好条件の改革案が出てきたように、図書館改革も次の指定管理者の再契約が切れる5年後でもいいのではないか。今回の提案より松阪市民にとって、より好条件の改革案が出てくることを期待したい。
コメント (2)
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