川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

モンスターペアレント

2011-07-22 20:02:33 | 日記

平成23年6月議会の一般質問では学校現場における問題としてモンスターペアレントなどを取り上げました。

 

モンスターペアレントとは

モンスターペアレントの「ペアレント」とはPTAはPにあたる言葉で保護者、父母のことです。それにモンスター「怪物」がつくモンスターペアレントは、担任教師や学校に対し、自分の子に関する「理不尽な苦情」や「無理難題な要求」を突きつける保護者のことをいいます。

6月17日、福岡市で長男が通っていた中学校から金銭を脅し取ろうとしたモンスターペアレントの母親に逮捕状が出された事件もありました。

 

モンスターペアレントの要求

モンスターペアレントが学校や教師に対する要求内容については、関連する本やインターネットなどでも紹介されていますが、こういう事例があります。

○少年野球、サッカーなどクラブ活動でうちの子をレギュラーにせい。

○学校での記念撮影で、うちの子が端に写っている、真中にして撮り直せ。

○学校に長時間苦情の電話をし、この電話代を学校が支払え。

○子どもが朝起きられないので、先生が家まで起こしに来てほしい。

○子ども同士のささいなケンカに、子どもがいじめられた解決策を文書で示し、損害賠償金を支払え。

○学校で持ち込みが禁止されている子どもの携帯電話を取り上げたところ、その分の損害賠償をしろ、払うまで子どもを休ませる。

○娘がピアノを習い始めてまだ1ヶ月しか経っていないのに「娘を中心にピアノ演奏会を開催しろ」。

○修学旅行の行き先が行ったことがあるので別な場所にしろ。

○「うちの子は塾通いで疲れているので、授業中は寝かせておいて」と学校に注文。

○きれい好きな子なので、職員用のトイレを使わせてほしい。

○学校が汚すぎて勉強に集中できない。校舎を建て替えろ。

このようにモンスターペアレントが学校に持ち込む苦情や要望は、常軌を逸脱していて、いずれも、常識では考えられない自分勝手な言い分を主張してきます。

 

追い込まれる教師

 苦情や要求の持ち込み方も異常な状態で、学校に来て担任の先生に長々と抗議したり、あるいは恫喝したり、教師に土下座を要求したり、損害賠償金を要求するなど過激です。このような苦情や要求を受ける教師の中には、精神的に追い込まれ、抑うつ状態になって休職する人も出てきます。またモンスターペアレントからの激しい攻撃で自殺に追い込まれた教師もありました。

 

学校や教育委員会の対応

学校関係者の間ではモンスターペアレントという言葉は、保護者の人格を否定する意味合いがあり用いないということです。しかし近年なかなか解決のしにくい問題があり、例えば学習の評価を高くしてほしいとか、自分のうちの都合で学校行事の日程を変えてくれなどがあり、教師の授業中や夜間にもそのような要求があるということです。

教育委員会では、このような問題は話し合いで解決するよう先生たちと確認をしていますが、難しいケースでは指導主事、コーディネーター、スクールカウンセラーなどを派遣して専門家チームで対応しています。また要求の違法性が明らかな場合は、専門機関に相談する体制をとっています。

 

まとめ

 ひとたびモンスターペアレントのような問題が発生しますと、その学校は大混乱に陥ります。担任の先生を始め、学年担任の先生・校長など多くの教職員は、本来子どもたちの教育に向けるべき多くの時間とエネルギーを、問題の対応に費やすことになります。毎晩夜の11時ごろまで何ヶ月もの間対応の協議などに時間がさかれ、クラブの指導などいっさいできなかったという話も聞きました。

日頃からの学校と保護者や地域との結びつきが大事で、PTAが活発に活動している学校は、このような問題が少ないと言われています。