6月21日から始まっている松阪市議会の平成23年6月議会は6月30日、3日間にわたって行われていた一般質問が終わった。
この一般質問の答弁の中で、山中市長が連日「アホな総理」と発言したことに対して、田中力議長は臨時記者会見を開き、「本人の思いがあるのは構わないが、本議会で発言するのはいかがなものか。議場は厳格な場、17万市民から負託を受けた市民と議員が議論する場で、あまりにも品位に欠ける」と不快感を示したという。これに対して山中市長は自身の発言について、「政策について言った。それをどうこういうことこそ、市民感覚から外れている」と話したという。(中日新聞の記事から)
山中市長は以前にも議会で「自民党は越後屋のような目に見えるワルだが、民主党はペテン師のような目に見えないワルだ」という発言もあった。市長の議会でのこのような発言は、“若さ”なのでしょうか、みなぎる自身の表われなのでしょうか。
今回の発言が菅総理まで届くことはないだろうが、日常生活の中でこのような発言は言った方と言われた方では正反対の思いが残る。
以前にある会社(A社)の社長が同業の会社(B社)の社長と口論になり、「お前とこの会社なんか潰したろか!」と暴言を浴びせて、その業界で話題になった。潰したろかと言ったA社社長は、B社社長を言葉で叩きのめして、さぞかし気分がよかったのではないだろうか。その反面B社社長には不快な思いがいっぱい残ったことになる。
ところが後日、A社が業務を進める上で、どうしてもB社が持っている設備を借りなくてはならなくなった。近くの会社にはどこにもない特殊な設備である。社長から指示を受けたA社社員がB社に赴いてB社社長に設備の借り受けを頼むが、なかなか納得が得られない、当然のことである。しかし何度か足を運ぶうちに、B社の社長も人格者であった。「お前ところの会社に貸すのではない、お前たちに貸すのだ」と言って貸してくれたということです。
私たちの社会生活の中でも一方的に暴言を浴びせかける人がいるが、その時いつもこの出来事を思い出す。いつか頭を下げて頼むことがあるかも知れないのに。
今をときめく山中市長、まさに怖いもの知らず。しかし順風満帆な時ほど謙虚さが必要。山中市長の「アホな総理」発言は、天に向かって唾を吐く行為。その言葉はそっくり自分の所に帰ってくるような気がする。