フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

芋煮会

2007-10-21 23:32:51 | Weblog
季節は秋、それもいいお天気に恵まれた今日はいなべ市の小原一色町で行われた芋煮会に参加してきました。
芋煮会は秋の名物行事として東北から全国に広がっていきました。秋に野外で集団で鍋料理を食べる風習は東北地方によく見られ、春の花見と並んで二大行事となっています。
このブームは町おこしとしても利用される様になりました。
芋の主流はもちろんサトイモです。里で栽培されるところからサトイモと名付けられましたが、親イモに寄り添って子イモ、孫イモとたくさんのイモが出来るところから子孫繁栄の縁起物ともなっています。
さて、この鍋料理は野菜の摂取が不足しやすいこの時期でも一度に野菜を沢山食べることが出来、何よりも仲間と会話が弾むというメリットがあります。
今日の芋煮会は簡単なステージがあり、私の唄も披露させていただきました。
青空と美味しい鍋、一味違った休日になりました。

  
コスモス畑(奥の方です)

  
さといも

リサイクル

2007-10-20 18:57:31 | Weblog
語呂合わせもここまでくると素晴らしい。今日の「リサイクルの日」は、かぎりある資源を大切に使うために、捨てないで一回り(10)も二回り(20)もリサイクルしよう。10月20日に決まったようです。
大手、家電量販店でリサイクル料を取っておきながらその製品が消えたというニュースがありましたが、リサイクル法が1991年制定されて以降は資源の有効利用意義がずい分と向上しました。特にゴミのリサイクルに於いては我が名古屋市はすばらしい成果をあげています。
ところで我々はつい見落としがちになりますが、江戸時代の江戸ではリサイクル精神、いいかえればもったいない精神が根強く息づいていて、世界でも有数の環境都市でした。雨水の利用から、し尿の処理、着物の再利用などリサイクルの進んでいた都市でした。
かけ屋さんがありました。金属製品の修理専門業者のことで、古い鍋や釜などの底に穴があいて使えなくなったりした時は修理してもらっていたものです。
これは一例ですが「ものを最後まで使い切る」という精神が自然にリサイクル社会を生み出しました。
来年のサミットは日本で開かれますが、環境サミットともいわれています。こうした参考になる江戸時代の文化を前面に押し出して、「江戸のリサイクル社会」を世界に広めてはどうでしょうか。
いつまでも「フジヤマ、サムライ、芸者」の日本ではねぇ。

一茶

2007-10-19 21:09:42 | Weblog
子供の頃、つまり頭が柔らかかった頃覚えた俳句は、いくつになっても忘れる事はありません。特に動物が登場する句は興味深かったせいかよく思い出します。
「やれうつな 蝿が手をする 足をする」「やせ蛙 負けるな一茶 ここにあり」「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」などは、共に小林一茶の作品ですが、優しい人だなぁと幼心にも思ったものでした。
小林一茶はその他、のみ、かたつむり、きりぎりす、蝶などの俳句も作っているそうです。
10月19日は1827年に65歳で一茶が亡くなった日です。小動物や自然の命を命題にとりあげている一茶の生涯は、大変厳しいものであったようです。
3歳で実の母と死別するスタートだったのですが、そのあと継母との軋轢あつれきから孤独な子供として過ごしたようです。
往々にしてこうした環境に身を置く時の友達は、周りの小動物になるのかもしれません。
只、「やせ蛙~」の作品は一茶が年老いた時の作品で、自分とやせ蛙をダブらせて強さが欲しいという願望につながる作品だそうです。
それはともかくとしてこの世の中、人間や自然に対する暖かいまなざし、対象を見る眼の優しさをこれから個々で取り戻していかないと大変な事になると思います。
そこで一茶の句を声に出して読んでみると少しは心が洗われるのではないでしょうか。

温度

2007-10-18 17:59:21 | Weblog
冷凍食品は貯蔵温度を-18度以下で保存すればその品質は3ヶ月は維持されるということから、凍(10)と-18度(18)で、10月18日の今日は冷凍食品の日です。
我々の会話の中で使われる数字の中で、温度はかなり大きな比重を占めます。日常の挨拶の中でも、具体的な数字は出さないまでも、暑い寒いは常套句となっています。
温度といえば、体感温度という言葉があります。定義づけをすれば風速、温度などによって影響される事の多い人間の肌で感じる気温を数値に表わしたものです。よく表現されるのは、風速が1m/s増す事に体感温度が1度下がるという事です。
これとは別に心理的体感温度があります。ある調査では、20年以上たった夫婦のうち「夫と一緒にいると寒さを感じる妻」が何と4割もいるそうです。夫の方は2割弱ですからかなりの温度差ではないでしょうか。その理由の最も大きなものは、自由時間が束縛されるということのようです。
室温での快適さに温度差があり、心理的な温度差もあるとなると、まさにお先真っ暗ですが、新婚当時の品質を維持するには何を冷凍したらいいのでしょうか?(笑)
ちなみに「すごい」という字は冷たい妻を意味する漢字なのですね。

トイ・プードル

2007-10-17 11:22:56 | Weblog
    

我が家の、といっても娘の愛犬は「レーネ」と申します。
音楽用語で「優しい」という意味で、トイ・プードルです。
トイ・プードルはスタンダード・プードルを小型に改良した犬種です。もともとプードルはフレンチ・プードルと言われフランスの犬でした。「レーネ」はデトロイト生まれと言っても、フランスの香りがするのです。
トイ・プードルはバランスのとれたスクエア(正方形)に近い体型で、学習能力も優れています。何よりも他の犬に対して寛容です。というよりも気弱でトラブルを好まないので、すぐ逃げ帰ってきます。殆ど泣かないので室内で飼育するにはもってこいです。
さて、我が家のレーネは、娘の話では散歩中、すれ違う人達からは「あら可愛い」といわれる事が度々で「レーネ」という名前よりも「可愛い」が自分の名前だと思っているようです。(そんな馬鹿な!)
情が移るということはあるもので、何ヶ月間か一緒に生活をすると、やはりその動向が毎日気になって仕方ないものです。
只、残念ながら彼女(レーネ)にとっての優先順位は私が最下位なんですが・・・。

ボス

2007-10-16 22:47:08 | Weblog
そんなに定着はしていませんが、今日は「ボスの日」です。
アメリカでは一般に浸透している記念日です。というのも1958年にアメリカの父親思いの娘が、父親の為にこの日を提唱した事がはじまりです。つまり父親が経営者で部下との間がうまくいってなかった様なんですね。
そこでこの日は「上司に対する不満を忘れて、ボスにその労をねぎらい感謝をしよう」ということになりました。
ボスというと、かつて「太陽にほえろ」の石原裕次郎がお馴染みでしたが、私が今すぐ思い浮かぶ言葉は「ボス猿」です。
猿の社会には厳然として上下関係があり、エサを食べる順番やグルーミングなどの行為もきちんとした上下関係の基におこなわれます。多くの群れでは、例えボスとして力量に欠ける猿であっても、ボスの座から落とすシステムはなく、あくまでも年功序列になっています。もちろん、毎日のエサを群れに与える責任を負っているのですが。
この猿の社会は、ボス猿であろうと一度は必ず群れに追われて修業の旅に出ているそうで、まさに「可愛い子には旅をさせろ」の精神が息づいているのです。
猿はちょっとした状況の変化に警戒心が強く、通常のしかけはすぐ感づき、学習能力が高いといわれています。それだけに旅を勉強の場として学習し、群れの中で生かすのです。
ちょっとしたキャリアアップに旅に出る様ですが、人間も外の冷たい空気の中での学習を今、必要としているかもしれません。

年賀状

2007-10-15 21:39:21 | Weblog
ちょっと気の早い話かもしれませんが、今年の年賀状の内容はと考えはじめる頃ですね。
というのも、主婦同士の会話で、恐らく20代から30代だと思うのですが「お宅はどんな写真を使うの?」って探り合いの会話が耳に入ったのです。
年賀状はメールの挨拶が増えた今もやりとりが盛んで、つい先日も地球温暖化防止の寄付金つき年賀状「カーボンオフセット年賀」の予約について発表されていました。
私の年賀状の歴史は、手書きからプリントゴッコを経て、今は知人の書道家にご協力をいただいていますが、子供達はパソコンソフトを器用に利用しています。宛名書きを含めて本当に楽になりましたが、一度楽なものを知ってしまったらわざわざ手間がかかる様なことはしたくなくなるという人間の心理からいえば、もうプリントゴッコに戻ることはない様な気がします。年賀状について更につけ加えるならば、心掛けているもう1つに、他人のアイデアは絶対に真似しないという事ですね。
さて、毎年ある数の年賀状を出すのですが、年毎としごとに付き合う人が増えている筈なのに、総数にしてそれ程変化がないのが七不思議のひとつです。それだけ疎遠になっていく人もあるということでしょう。(殆ど逢うことがなくて、又お返事をいただかなかった人は段々出さなくなる事があります。)
それでも、ああ元気だったんだと、何年か振りに届く年賀状は本当に嬉しい便りです。

化粧

2007-10-14 22:39:50 | Weblog
地下鉄のホームで電車を待っていて驚きました。駅員さんのアナウンスにこんなメッセージがありました。
「列車内での携帯電話の使用や化粧などは迷惑になりますのでご遠慮下さい」
とうとう列車内での化粧が目に余るものになってきたからでしょうか。
確かに通勤時間帯の列車内では、必ず1人や2人、化粧をしている女性をみかけます。中には器用に立ったまま化粧をしている女性もあります。
化粧というのは、ふつうより美しくなるため、あるいは少なくとも美しくみせる為にするものと思っている私にしてみれば、同じ列車内の人は美しく見てもらう対象ではなく、化粧をし終わった後に出会う人に対して美しく見せる事なんだと思ってしまいます。
それにしてもどうして車内化粧がこうも多くなってしまったのでしょう。単に起きてから出掛けるまでの時間の節約なんでしょうか。
近頃、ああ大人の人だなあと、自分も立居振舞いを真似してみたいと思う人になかなか出会わなくなりましたが、物事をきちんとわきまえ、恥の感覚や程のよさを含んだ美学を今の日本人にもう一度取り戻さないと、歴史につちかわれた日本的良さは永遠に抹殺されてしまうかもしれません。
最後にこんな言葉を思い出しました。
『化粧してきれいになるのは、化粧のいらない人だけなんだ』

急がば回れ!

2007-10-13 20:41:12 | Weblog
今日は引っ越しの日です。1868年に東京遷都により明治天皇が京都の御所から現在の皇居に引っ越したのにちなんで制定されました。
ところで引っ越し王は江戸時代を代表する浮世絵師で「富獄三十六景」が代表作の葛飾北斎の、92回あるいは93回といわれています。北斎は1999年にアメリカの雑誌「ライフ」の「この1000年に最も重要な功績を残した世界の人物100人」に日本から只一人ランクインしています。
この北斎の引っ越しの多くは、荒れ放題になった部屋を掃除するのが面倒だという説がありますが、そんな環境の中から世界で評価される作品が生まれるのですから不思議です。
さて評価という点のお国柄で、特に日本とアメリカのキャリアアップの考え方の違いがあります。
転職をキャリアアップのチャンスととらえるアメリカでは、こんな例があります。
役所に勤めた際に法律の知識が必要とわかるやロースクールに入学し、再度役所に入ってヘッドハンティングでビジネスマンに。そこで又、必要を感じてビジネススクールに入り、後に起業家として成功します。つまりが学校に行く度にキャリアアップをはかるのです。
日本の家族的経営のよさももちろんありますが、引っ越しの効用もこんな所にあるのかもしれません。
「急がば回れ」の思想はアメリカ社会に、より強く浸透していると思えてなりません。

デパートの屋上

2007-10-12 19:42:58 | Weblog
  

「デパオク」という言葉をご存知ですか?デパートの屋上です。
デパ地下程、常に使われる言葉ではありませんので、余り馴染みがありませんね。しかし我々の子供の頃、つまりアミューズメント施設がなかった時代は、家族のレジャー基地でもあり、子供にとって小さな冒険の場所でもありました。「明日、デパートの屋上遊園地へ連れていってあげる」といわれた子供は同じ様に瞳を輝かせたものです。
まさに夢の国、パラダイスでした。小さなゲームセンターあり、100円で動く乗り物あり、小さなステージあり、何故かペットショップがあったものでした。母親が長い間買い物をしていても気にせず、何時間も平気で楽しめた空間だったのです。
今日、たまたま名古屋のデパートの屋上をのぞいてみたら、単なる空間に衣替えしている様なたたずまいでした。子供達が行列をつくって乗り物施設に並んでいた光景は全くありませんでした。コンピューターゲームに押されてしまって、デパートの屋上があこがれの場所ではなくなってしまったのでしょう。最近では屋上遊園地のないデパートさえある様です。
しかし久しぶりのこの屋上で、発見しました。「デパオク」は非常に開放感があるのです。昼食時に弁当を持ってデパートの屋上へ出掛けてみて下さい。喫煙場所もあり、メリーゴーランドを見つめて、幼い頃の思い出に浸ることも出来ます。
貴方にとっての特等席になるかもしれません。「デパオク万歳!」