フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

2007-10-31 18:05:49 | Weblog
このところお騒がせなのが食品の安全を脅かすという、特に餅屋さんの製造日偽装事件です。
「餅は餅屋」ということわざがあります。物事にはそれぞれの専門家があり、素人の及ぶところではないという意味です。土用の丑の日にうなぎを食べることを提案した平賀源内がある書物に「さてさて餅は餅屋とやら」と書いています。
この背景には、専門家を大事にするという日本固有の意義があります。ところが餅屋にまかせておいたら大変な事になってしまったのですから何をかいわんやです。
餅は単なる食べ物というよりも、昔から神聖な霊力を持つものとしてあつかわれてきました。特にお正月の鏡餅は、人と神様を仲介するものとされています。
「絵に描いた餅」「棚からぼた餅」などの格言があるのも、餅が大変高価で貴重なものであることを示しています。
「餅に砂糖」という格言は、話がうまく出来すぎていることを表わしています。何だか今度の事件には皮肉な部分もあります。
さてこうした神聖な餅をお伊勢さんの前で商っているわけですから、今度の事件はちょっと神様もしかめっ面をしている事でしょう。
とにかく安全管理をしっかり立て直して、何とか伝統の名産品をもち・・直して欲しいものです。
決して「ええじゃないか」と一般大衆は妥協しませんから。

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