フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

適材適所

2007-10-08 21:48:12 | Weblog
10月8日を漢数字で書くと十と八。この字をあわせると木という字になり、今日は「木の日」です。
木というと思い出す話があります。植林をする時、苗床で育った苗を山に移す場合、南向きに育った木は南向きに植える事が必要です。有名な宮大工さんは家を建てる場合は「木は生育の方位のままに使え」「寸法で組まず、木の癖を組め」と何かに書いていました。山で立っている状態と同じ様に建物にも使いなさい、ということです。1000年以上経った建物がいまだに素晴らしい景観を保っているのは、こうした工夫があるからでしょう。
もうひとつ興味深い話として、昔は木材を運ぶのに長い時間がかかりました。それがいいんだそうです。運ぶ途中で木の癖も出て乾燥し、建物に使える木へと変わっていくのだそうです。
人事の際に適材適所という熟語が使われますが、こうした木材の性質から言われる様になったのでしょう。
「木を買わずに山を買え」という言葉もあります。山の環境によって、木の質が変わるということですが、これなどは仕事が人間を作るという事を表わしています。
適材適所は、その人を配置する事によって、そのセクションが活性化すること、配置された人が仕事によって成長し、将来的に大きな仕事をするという意味にもなります。
ともあれ人事権限を持つ人は、その人に対して長期的な判断が出来る姿勢をいつも持って欲しいものです。