豆の育種のマメな話

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ピラールの牛は腹まで水に浸かって草を食む

2011-06-18 08:04:49 | 南米で暮らす<歴史・文化・自然>

南米パラグアイ共和国の南部にピラールという町がある。パンタナールから流れ来るパラグアイ河とイグアスの滝で知られるパラナ河が合流する場所からパラグアイ河の少し上流で,対岸を下ればアルゼンチン共和国のレシステンシア市とコリエンテス市,釣り人にはドラードが上がる釣り場として知られる。この河はアルゼンチンのパンパ平野を下り,ラプラタ河と名前を変え大西洋に注ぐ。

 

ピラールの周辺は湿原地帯が広がり,鳥類やカルピンチョなど野生動物,湿地の植生が豊である。肉牛を放牧している場所(牧場)もあるが,牛は腹まで水に浸かって草を食べている。牧夫の家までの取り付け道路はいつも水に隠れてしまい,小舟が幹線道路脇に繋がれている。この町までの幹線道路は,サンイグナシオ市から舗装道路で結ばれたが,2,000年頃までは雨が降れば陸の孤島となっていた。

 

この町を2,000年と2,005年に訪れた。2,000年には雨の後,町中の道路がぬかるみになり,郊外に出た時は4輪駆動の車でも難儀した。帰路には,郊外のガソリンスタンドで洗車しなければならないほどであった。2,005年には国道は完全に舗装されていた。

 

この地帯の道路整備,この町の農業高校には日本から専門家やボランテイアが派遣され,地域開発の技術協力が行われ,周辺住民の生活向上に大きな貢献がなされた。大雨で生活物資が途絶え,ヘリコプターで救出されたとの話も残る。

 

さて,どこにでもあることだが,道路と排水溝の整備は湿原の自然を破壊したと新聞論説で声高に叫ばれたことがある。人類と自然の協調は,なかなか難しい。

 

 

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