豊栄神社の水松
恵庭市内の最古樹は「豊栄神社の水松」ではあるまいか。
豊栄神社境内に推定樹齢三千年と称される水松(イチイ)の大木が御神木として植えられている。開道百年を記念して恵庭渓谷ラルマナイの深山から移植された老樹で、径級150cm、樹高20m(説明板)。樹齢三千年は些かオーバーかと思うが、尊厳たる姿を見せている。移植から既に50年を経過した今も元気な姿で御神木として崇められている。
「これこそ恵庭を代表する樹」と言っても、誰も異議を挟むまい。海抜500mのラルマナイ深山から搬出され、昭和46年に移植された老樹であるが、しっかり根を張り威風堂々としている。恵庭市内に数多く存在するイチイの中で、まさに横綱クラスである。
記念樹移植の由来を記した説明板が建っているので引用する。
「・・・昭和四十三年開道百年を迎えるに当たり記念事業として恵庭営林署に乞い受け昭和四十六年八月十八日移植完了す。抑々この太古の老樹は深山ラルマナイ漁分担区二十八林班標高500メートル地にあり神武天皇紀元前と推定され、明治四十二年山林の大火災にて付近一帯の樹木ほとんど焼け枯死せし中に唯一本生き凌ぎ、昭和二十九年九月古今未曾有の大風水害の中を堂々と生きぬき厳然として今日に至る。この尊厳の姿は此後神木として私共住民の子供孫まで幾千代かけて永遠に尊厳と追慕せらるることと存じます。搬出に当たり深山より林道を運び出し支笏湖畔廻り四十余キロの行程を搬出無地移植完了す。蝦夷が島根の北の園 遠き昔を偲びつつ 波静かなる世を祈るらん 昭和四十六年九月二十日 豊栄神社宮司本間康将」
なお、豊栄神社(とよさかじんじゃ、恵庭市大町3丁目6-5)については、拙ブログ2015.1.29「恵庭の神社-1、大国魂大神と豊宇気姫神を祀る豊栄神社」を参照されたい。
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