豆の育種のマメな話

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チリのお土産

2020-04-20 12:57:11 | 南米で暮らす<歴史・文化・自然>

南米パラグアイに暮らしていた頃のことであるが、チリを四回訪れる機会があった。一回目は2000年暮れから翌年正月にかけて、アルゼンチン南部パタゴニアの氷河を巡ったのちカラファテから国境越えのバスでチリのプエルト・ナタレスに入り、プエルト・モン、サンチアゴを訪れた旅(チリ滞在6日)。二回目は2002年の1月、サンチアゴ経由でイースター島を訪れた旅(チリ滞在7日)。三回目はアルゼンチンのメンドーサからサンチアゴに入り、北部のアリカ、パルパライソを訪れた旅であった(チリ滞在8日)。四回目は2007年9月メキシコ旅行の帰りにサンチアゴに滞在した(チリ滞在3日)。
 チリ共和国は南北に細長い(約4630km)国土で、当然のことながら気象条件は大きく異なる。北部は降水量が少なく砂漠が広がり、南部は雨もあり火山と湖水の多い美しい地方、そして一年中氷に覆われているパタゴニア地方に三大別される。また、東は高いアンデス山脈が連なり、西は太平洋に面しているので海流の影響を受ける。気象や景観が変化に富み印象的である。同時に、それぞれの都市が旅人に歴史の匂いを感じさせる何かがある。旧市街地を歩くと特にその印象が強かった。
旅の思い出にと購入した品が、いくつか手元にあるが購入した時の印象はそれほど強いものでない。代表的なものは、チリワイン、銅製品、ラビスラズリであろうか。

◇チリワイン
日本でもチリワインの愛好家が増えている。味は本格的だし、何しろコスト・パフォーマンスが高い。国内どこの店でも安価に手に入るようになった。
チリワインの歴史は比較的新しく、19世紀フランスのブドウ栽培が害虫フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)で壊滅的な被害を受けたとき、ワイン醸造に適したフランスの苗木がチリで保持されたことに由来する。ヨーロッパからブドウ栽培のためチリへ移住した人々が、アンデス山系の雪解け水を利用してワイン製造を行い、今やチリはワイン主要生産国の一つとなった。チリは、フンボルト海流の影響で涼しい海風が吹き比較的涼しい気候にも係わらず日照時間が長く、上質ワイン生産のために好条件だとされる。カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カルメネールなどの品種が栽培され、ボデーガの数は多い。チリとアルゼンチンでは、旅の途中で美味しいワインを味わう機会が多かった。

◇銅製品とラピスラズリ
チリは銅生産量世界一である(年間550-570万トン)。この量は世界総生産の約27%を占め、中国、ペルー、米国の140-170万トンを大きく引き離している。銀の生産量も1,500トンで世界5位。製造加工技術も優れており、空港の売店でも銅製品、銅細工・銀細工の品々を買うことが出来る。
一方、チリの宝石としてはラピスラズリ (lapis lazuli)が知られている。ラピスラズリ は和名で瑠璃(るり)と言う。深い青色から藍色で、しばしば黄鉄鋼の粒を含んで夜空に星の輝きのごとく見える。鉱物としては、ラズライト(青金石)を主成分とし、同グループの方ソーダ石、藍方石など複数の鉱物が加わったもの。古代から宝石として、顔料ウルトラマリンの原料として珍重されていた。

◇その他
チリの北部はボリビア、ペルーに接しているので、原住民の手によるリャマ、アルパカ毛織物製品が土産物として売られている。また、南部パタゴニアではペンギンの、イースター島ではモアイの置物などが代表的なものであろうか。

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