
一部で好評だった
私小説風で。。。
ちなみに、梅雨明けしちゃったけど、
これはまだ梅雨の頃のお話




とても明るく振る舞っているけれど、彼女は“深い悩み”に囚われている。
僕は思った。
注文を取りにきた彼女が言葉を発する前に「やきそばセット」
僕は告げた。
――ブタとイカどちらにしますか?
僕はイカと答えた。
ドリンクについて聞かれ、セットに含まれるのか問うと、単品から100円引きで提供すると言う。
「じゃ、いらないです」
この間、ほんの数秒だ。
だのに。
――ごめんなさい、ブタでしたっけ?
「イカです」
――イカで。
その店はお好み焼き屋さんで、ランチにお好みやひろしま、焼きそばなどの定番をサラダとのセット(ドリンク別)で提供している。
大きな鉄板とそこに対面するカウンター席。二人掛けの僕のテーブルとは、人ひとりがやっと通れるスペースだけの距離。
そんなこぢんまりとした店。
ところが。
彼女のオーダーを聞いた焼き手が鉄板に広げたのは、そばと野菜と、まぎれもなく豚肉だった。
客はもう一組だけで、その親子は既に食事を終えていた。
というわけで。
僕のテーブルに「ブタやきそばセット」が運ばれてきた。
彼女の顔には一点の曇りもない。
僕の注文。その数秒後に彼女は再度確認し、それを復唱までし、そこから焼き手へのオーダーも、距離と店の込み具合から察するに、やはり数秒。
だのにイカでなくブタを注文した彼女が、深い悩みにサイナマれていないことがあろうか。
僕は太めのやきそばを口に運びながら思った。
否、確信し、けれども、そのことを胸に秘めてお代を払った。
梅雨空の低く垂れ込めた雲と、再開発の重機の音。
対照的にミスドの前ではしゃぐ女子高生の声と襟のエンジのリボンが、僕の目と、まだ片方聞こえないまんまの耳に飛び込んできた。


一昨日、ブログのリニューアルについて触れた。
この手の身辺雑記は○曜日、劇団情報を△曜日、劇評は◇曜日。。。
そんな風な展開にしようかな? などとも密かに(?)に考えています。
まあ決めたわけじゃなく。