Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  ガレキ 丸山佑介著

2015-08-12 23:56:13 | Book


2012年発売の本で、
購入当初途中まで読んでそのままになっちゃってたんで
また読み返してみました。

あの当時は本当に悲しかった。

東北沿岸に何度も行って、
いつまでたっても小さくならないガレキの山を見て歩くのも、
季節が過ぎてガレキの山に雑草が生えてそれが枯れて雪が積もって
春が来てまた雑草が生えるのを繰り返し見ることも、
ガレキの広域処理について議論されているのも、
お金をかけて九州とかにガレキを運んで処理しなきゃならない現実も
周りにそういうことについて話せる人がいないことも。

いまはね、またいろんなことを思います。

いちばん心が静かでいられたのは、
瓦礫の山が無くなって更地になっていた時かもしれないなーとか。
それまで瓦礫があって歩けなかったところに入ることができて、
そこに生きていた人たち、生きている人たちのことや
そこにある海や砂浜や土や草を感じながら歩いていた時期。

それからわずかに残されていた建物が解体され、
そこに土が運ばれて、
元々あった地面が覆われ、みんなが歩いた道が無くなり、
新しい地面や道路が作られている・・・。
そんな今、
不謹慎かもしれないけど、
ちょっとあの瓦礫の山を懐かしく思ったりもするんです・・・。

話がそれましたが・・・

この本は宮城出身のジャーナリストが、
ガレキの広域処理問題に関して様々な人にインタビューした内容をまとめたものです。
いくつかの自治体の首長や議員、
広域処理反対運動をしている市民、ガレキの処理をしている産廃処理業者など、
様々な人にそれぞれの立場からの瓦礫問題のとらえ方のほか、
震災直後から使われていた「絆」という言葉についてどう思うかも尋ねています。

「絆」っていう言葉はずっと違和感ありました、わたし。
「絆」ってなんかよく意味わかんなかったな・・・。

こうやって震災間もない時期に買った本を今になって読んでみるって、
大事なことですね。
結構東北に足を運んでいるのに、忘れかけていることがいっぱいある。
出来事を時系列で追えなくなっていたりもするし、
自分がどう感じたかってこととか、
あの政治家がこんなこと言ってたなーみたいなことまで。

実はまだ読んでない本も本棚にいくつかあるし、
新たに震災関連の本もたくさん発行されているので、
すこしあせっていたのですが、
時間が経ってから読むのも悪くないなと気づきましたので、
じっくりいろんな本を読んでいきたいと思います




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