Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書 生存者 3・11大槌町、津波てんでんこ  根岸康雄著

2015-05-20 22:19:45 | Book


岩手県の大槌町で、
津波に襲われ黒い海水に引きずり込まれながらも
九死に一生を得た方々の物語です。

この本は2012年3月に発刊され、その割とすぐあとに購入し、
その年のうちに読み始めたんですが、
途中で止まってしまい、そのままになっていました。

ちょっと描かれているみなさんの体験が凄すぎて、
通勤電車の中で涙が止まらなくなって、
これはもうちょっと時間経ってから読もう・・・と。

それまでにもいくつかの震災関連本を読んでいたんですけどね・・・。
自分の中で整理付けられることもあったけど、
ちょっとその段階でまだ折り合いつかないことがあったんだろうな・・・。

多くの方が亡くなったことについては覚悟していたんで
それについて読んだり見たりしてそのとき涙が止まらなくても
先に進めないということはなかったんですけど・・・。
この本は、津波にのまれながらも、
まさに「運」としか言いようのない神がかりな出来事の連続で命拾いした人達のお話で、
とても生々しいというか・・・
行ったことある土地のことだからなおさらかもしれません。
あの大槌の光景、あの素敵な人たちとストーリーがリンクしてしまって・・・。

今回はしっかりと心に受けとめながら読むことができました。
もちろんあの大槌の光景と
これまでで会った多くの素敵な人たちのことも思い浮かべながら。


この本を読むと震災前の町の様子が少しわかるので、
かさ上げでどんどん町が変わるいま、
読んでまた以前を思い出したり想像したりすることができました。

そしてその町と、
あの震災を生き抜いた人々と、
彼らが失った大切な人たちに対する思いが
またあらたになったような気がします。

大槌に限らず、すべての沿岸の町に対して・・・。

やはり4年という歳月で
少しなあなあになっていたところがあるんですね、きっと。

折に触れて読み返したい本です。


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