Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  悼む人  天童荒太著

2015-05-11 01:02:56 | Book


久々に小説読んでみた

今年始めに映画化されたことを知り、
実家にこの本あったなーと思いだし、
5月の連休中の移動中に読もうと旅行に持ち歩き、
ちょうど仙台で帰りの飛行機に乗る前に読み終えました。

死と生のお話です。
家族のお話です。
愛のお話です。

主人公がおこなっている死を悼み生前を胸に刻むことは、
ちょっと自分で言うのもなんですが、
東北の沿岸の町を何度も訪ね歩いているわたくし自分自身の想いと、
ちょっと意味合い的に似ているような気もしました。
私は個人ではなく町を悼んでいるんですけどね。
部外者だけど、この町にはこんないいところがあったということを覚えておきたい。
それはこれからも同じような形で引き継がれるのか、
少し変わった形で継がれるのか、
全く無くなっちゃうのか・・・それを見届けたい、
という気持ちでリュックを背負って歩いています
震災前はほとんどの町に行ったことなかったので、
この物語の主人公のように「手遅れの人」なんですけどね

そういう共通点と、末期ガンの在宅医療という点で、
興味深く読み進むことができましたが、
全体としてはあんまり琴線に触れる感じがしなかったなー、このお話

なんか裏の世界のこととか暴力の描写とか性の描写とかか宗教とか軽くファンタジーなところとかが、
村上春樹とかぶってるんだけど、ちょっと軽くて妙な感じがしたし、
すべてにおいて説明的すぎて読むの疲れる感じがしました。

しかもすべてが思った通りの結論で、「そうきたか…」的なわくわく感がない。

はっきりしないことが多少あった方が、あとで色々想像できて楽しかったりするのは、
村上春樹の読みすぎですかね(笑)

この作家さんの別の小説読んでみたいと思わなかったし・・・。
といいつつ作品検索してみたら、「家族狩り」の作者なんですねー。
ドラマになってたけど、
佐世保の高校生の殺人事件の時に放送中止しろとかって話題になってましたな。

この「悼む人」も、
家族とは、生きるとは、死ぬとは、みたいな部分は若い人に考えてほしいテーマだけど、
暴力とか性の部分であんまり青少年にはお勧めしにくい感がありますね。

あ、そうそう、映画は大コケだったみたいですね。
ははは


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