Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  ヴィヨンの妻/人間失格ほか  太宰治 著

2010-01-12 23:22:40 | Book


「ヴィヨンの妻」は、
松たか子で映画になってましたね~。
こんな短くて映画になるのか!?!?
って言うくらいするっと読めちゃいました。
映画のこと調べたら、
ヴィヨンの妻だけじゃなく
いろんな太宰作品を参考に書かれた台本のようです。

他の太宰作品と同様に
ダメ男とそれにくっついている女のお話です。
でも「人間失格」なんかとは違って、
女性の力強さが世の中を明るくするんだな~と
思わせるお話です。

太宰の作品は、
まだ大して読んでませんが、
女性一人称作品はやや苦しい中にも希望が見えることが多く、
男性一人称作品は闇を背負っていることが多い気がします。
そのどちらも書くことで
太宰は自分を保とうとしていたのかもしれませんね。


「人間失格」は
中学か高校のときに読んだはずなんですが、
あんまり覚えてなかったなあ・・・
「なんだか気の弱い男の人の話・・・」
「最終的に何が言いたいのかわからなかった・・・」
みたいな印象しかなかった。
お気楽に育っていたのか、
人間の苦悩がわからなかったのかもね、わたくし


これは太宰の遺書だとかいう考え方もあるようですが、
そうかしら・・・?と私は疑問。
自伝的ではあると思いますけどね。
この本にも載っている「桜桃」という作品のほうが
ちょっと遺書っぽい。
「人間失格」よりあとに書かれているし。

ま、遺作の「グットバイ」の草稿とともに
遺書が見つかってるんだから
それが遺書であって、
どれかの作品が遺書であるように捉えようとするのは
作家をなんか特別視しすぎのような・・・

初期のころの「晩年」という短編集は
太宰自身が遺書のつもりで書いたと言っているようなので
(実際何度も自殺未遂してますが
 それから作家として花開くので
 ホントの遺書にはなってませんが)
それも読んでみたいと思います。

「人間失格」に戻りますが、
主人公の葉蔵は結局
自分と他人との関係がうまく築けないまま
廃人になってしまったのですが、
周りの人は彼をしょうもないなあと思いつつも
かまい続けたわけで、
それは母性だったりお金だったりその他都合だったり
人それぞれ理由はあったかもしれないけど・・・・。
「神様みたいないい子」だったんですよね、
それなりに・・・周りにとっては。
きっとお父さんさえ彼をそういう目で見ていてくれたら
彼は廃人にならなかったかもしれない・・・。

なんだか、
立派な医者とかの家の息子がひねくれて
人を殺したり大事件を起こしたりする、
現代の社会問題を髣髴とさせる・・・・
というのが、
私の「人間失格」を読んだ感想です

これも2月に映画公開ですよね。
観ませんけどね




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