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宮澤賢治の詩に、
「『ジャズ』 夏のはなしです」と題されたものと、
ほとんど同じ内容の改稿「岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)」というのがあり、
それが書かれたのが日本でまだジャズが一般的ではなかった時代だったことから、
宮澤賢治はいつどこでジャズという言葉やその音楽と出会っていたのかを追いながら、
戦後復興期までの日本のジャズ史を紐解いていく内容の本です。
ちょうどアメリカのジャズ史を勉強しているところで大戦前後までは理解していたので、
予習済みって感じでよかったです。
日本のほうはペリー来航まで遡ってましたが、
宮澤賢治が生きた大正から昭和初期のことが多くかかれていて、
音楽ばかりでなく当時の芸能一般や日本の文壇のことも絡めて書いてあって、
ちょっと前に
文藝春秋で関東大震災後に当時の作家さんたちがかいた「震災文章」を読んでいたので、
そのへんも予習済みって感じでよかった…。
それらの予習がなければ、ちょっと情報量多すぎて、
読むの難しいというか大変だったかなって思います、この本(笑)
肝心の、前述した賢治のジャズの詩は、
題名を知らずに読んだら「鉄道の詩だね」と思っちゃいます。
題名を知って、「ジャズ!?どこが!?」と何度も読み返すんですが、
詩心ない私には理解不能で
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解説を読んではじめて、ああなるほどジャズっぽい…と思いました(汗)
その時点では、言葉の意味とかリズム的な意味でジャズっぽいとの理解なのですが、
さらにこの本を読み進むと
宮沢賢治そのものがジャズな人なんだ!ってことがわかってきます。
宮澤賢治の大ファンだったという詩人の中原中也は、
賢治は「名辞以前の世界」を生きる人だ、と評しています。
それは「概念」などのまったく容喙できない世界であって、
賢治の一生はその世界への「間断なき恋慕」であった、と。
この本の著者は、
「賢治のその世界はジャズのインプロヴィゼーション(即興)そのままだ」といっています。
アドリブ、フェイク、ライド、ジャム・・・
文字的論理的に考える前に即興的にあふれでてくるもの、ということですね。
賢治の作風は心象スケッチ。
賢治の心のなかにある即興的イメージをそのまま表しているものなのですね。
まるでチャーリー・パーカーが内から湧き出るものを音であらわしたように・・・。
著者はこうも言っています。
「賢治はジャズ・インプロヴァイザーのソロイストであり、
リズムセクションは岩手軽便鉄道であり、
伴奏者はイーハトーヴの風景であり、風であり、北上山地という風土だったのでは。」
岩手にはなんとなくジャズな人が多い気がしていたんですが、
賢治が愛したイーハトーヴは
そういう人が生まれ育ちやすい風土なのかもしれないですね
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さて、
明日5月3日から岩手に行ってきます。
しかも以前岩手軽便鉄道だった路線、
現JR釜石線ドリームラインで乗って釜石に行ってきます。
当時よりは乗り心地の良い電車になってガタンゴトンと揺れたりしないので
ジャズのリズムは感じられないかもしれませんが、
賢治が感じた風を感じることが出来るイーハトーヴの旅になるといいなー
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