Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

ジビエの季節 後半戦 その3 馴染みのお店のコース料理でジビエ満喫 

2013-02-05 23:44:49 | Restaurant/Bar/Cafe
この日お友達とお食事に参りましたのは、
いつものラ・トルテュさん。
この時期恒例の「ケモノのムニュ」をいただきに参りました。
はじめっからメインまでジビエ尽くしのコースです。
いつものようにワインもおまかせで。


まずはシャンパン。

ジャン・ヴェッセル・ブリュット・ウイユ・ドゥ・ペルドリ

ジビエのコースということで、
名前に「ヤマウズラ(ペルドリ)」を冠してあるのを・・・というちょっとしたシャレも。

ロゼか?っていうくらいピンクですが、
いちおうセニエでブラン扱いだそうで・・・。
ベリー感あってチャーミングな泡です。


いつものおつまみ。

グジェール、魚のペーストを巻いたパイ、そして熊肉のリエット。


アミューズ・ブーシュ。

森鳩のビスク 香辛料風味のパイエット

骨の髄まで入っている濃厚なビスク。
あーおいしい・・・。





次のお料理に合わせたワイン登場。

ドメーヌ・ドゥ・ボワ・ルカ 邦子 2008

おや、エチケット変わりましたか?
日本人醸造家・新井順子さんがフランス・ロワールで作るビオワイン。


これを合わせますのは、




天然猪のタルティーヌ 首肉の塩漬け添え

猪肉の脂がしっかり。
クマとかイノシシのような脂にクセがある肉にはとくに自然派ワインが合うような・・・・。





次のワイン。

サンタデュック ラストー 2003
グルナッシュ主体です。


これを合わせますのは、

蝦夷鹿モモ肉の赤ワインマリネ
根セロリのサラダ、トリュフ風味

根セロリがいい仕事してる・・・。
やはり鉄分の多い鹿肉にはローヌのワインですな。
うまい・・・。





次のワインはなんと白!

クロ・フロリデーヌ・ブラン 1999
ボルドーの白。
素晴らしい熟成・・・。


お料理は、



ベキャスのラビオリ マッシュルームのクリームソース

すごーい。
なんだこの組み合わせ!
ベキャスもキノコもワインも個性的なのに素晴らしいハーモニー。





次のワイン。

ルイ・ジャド シャンボールミュジニー 2001


お料理は、

青首鴨とフォアグラ パイ包み焼き、ルーアン風赤ワインソース

ちょっとしっかり目のシャンボールミュジニーと鴨とフォアグラ。
あーうまい。
やっぱ鴨うまいなー。

いろいろジビエあるけど、
なんとなく青首鴨が一番好きかもしれない・・・。


さて、もうジビエ料理は終わり、これからデセールです。

その前に、いつものお口直し。


今回は生姜でした。
すっごいおいしい!生姜のシャーベット!


そしてデセールはカルトよりこちらを選びました。

イチゴのマカロナード  
バジル風味、オリーヴ油のソルベ添え

このオリーブオイルのソルベがまたイチゴに合うー!
うまーい。


〆の小菓子とハーブティー。




はあー。今回も満喫しました。

いつも素晴らしいマリアージュをありがとうございます。

ごちそうさまでした!

読書  INTO THIN AIR  Jon Krakauer 著

2013-02-05 00:50:00 | Book



1996年5月に起こった、エベレスト商業的公募登山の大きな山岳事故に関するノンフィクションです。


昔、IMAXシアターでエベレスト登山の映画をみたんですが、
それ繋がりでエベレストに興味あったことと、
ニューヨークタイムス(新聞)が選ぶベストセラーでもあったことから、
アメリカで買った本なんですが、読まないままになっておりました


お正月に日本のエベレスト関連フィクション小説(神々の山嶺)を読んで、
山用語とか地理的なイメージとかが頭に残っていたので、
英語の本でも読みやすいかなあと始めました。

最初は辞書必須でしたが、後半は慣れてほとんど辞書なし。

予定より1週間ほど遅れてしまいましたが、読み終えてよかった。


「神々の山嶺」はスーパークライマーが無酸素で難関ルートに挑む話だったんで、
高所順応とか衛生問題の大変さなどの話はあまり詳しく書かれていなかったんですが、
この本でそれを感じることが出来ました。

何日もかけて頭痛や吐気や下痢その他の症状に苦しみ、睡眠不足になり、
ほかの人が同じもしくはもっと酷い症状で苦しみむのをみながら、
そして時には低いキャンプでリタイアを余儀なくされる人をみながら、
数週間かけてやっと高度順応してベースキャンプからキャンプ4にたどり着き、
これからサミットアタックと言う段階でこんどは天候との戦い。

エベレストアタックは
ホントに鍛えられた人のための命がけのチャレンジであるべきだと思いました。

でなければ、この1996年5月の悲劇のようなことが起こるのです。

たくさんのお金を出せば、大した経験がなくても世界で一番高い場所に立てる、
ということで、
ガイドつきエベレスト登山が商品化されているほか、
エベレスト登山をフィルムに収めようとするメディア隊、
小さな国では母国からエベレスト達成者を出そうと隊を編成したりと、
大きな登山チームがベストシーズンにたくさん集中するため、
キャンプや登山ルートは多くの人でごったがえします。

人が多い=エゴのるつぼ。

いろんな事が起こり、人々にストレスを与え、
それによりベテランクライマーやガイドの体力が奪われ判断力が奪われます。

なにより神の山エベレストが人間のエゴを見逃しません。

落石、悪天候に継ぐ悪天候、山は容赦なく人間に試練を与えます。

著者が参加したチームとそのライバルチームのほぼ半数が命を落としました。
そのなかに両チームのリーダーが含まれています。

クライアントやチームメイトのトラブルやアクシデントのたびに体力と神経を擦り減らし、
能力の低いクライアントのフォローにまわり、命を落としたのです。

高い山に登るときにはスピードが重要です。

山は登るものではない。
登って下るものです。
下りの時間を考えてピークに何時までには着かなければいけないという時間との闘い。
いくら我慢強くて頑張り屋さんでも、
時間との戦いに負ける体力しかない人は結局人に迷惑をかけるか死ぬかです。

そう割り切るべきだったのに、
クライエントはやはり何百万ものお金をはらって参加するわけだから、
山頂に立ちたいだろうし、
ガイドさんたちももツアーの評判を上げたいから一人でも多くサミット達成させたい。

そういう欲を山は見逃さないのです。

惨事のあと、
ある登山チームのシェルパがこういった主旨のことを言いました。

我々は神の山を守るために生きる民族であるべきなのに、
外貨を得て暮らしを楽にするために、
こうして知らない人が山に入って騒々しくしたり、
不埒なことをしたり、山を制したなどと勘違いしたりする手助けをして、
挙げ句の果てには、
酸素ボンべや何やらを山のあちこちに散らかして山を汚染している。
罰を受けるべきは我々だ、と。

人間は自然に対して傲慢になりがちですね。
つい最近、私たちも、あの地震や津波で自然の恐ろしさを思い出しました。
いつでもこういう書に触れて、
襟を正さなければなりません。
でなければ、ほんとに大事なものを失ってしまうのです。