東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

立退き合意書を無理やり作成 (東京・練馬区)

2006年05月01日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

     消費者契約法で家主に立退き合意書の取消を通知


 練馬区大泉にある5階建てのマンションに住む有田さんは、10年以上この同じマンションに住み続けてきた。訳が合って昨年離婚し、前夫が家から出て行った。前後し、前の家主がマンションを売却した。

 新家主が夜の9時頃に来訪し、家賃の支払が滞っていると文句をつけ、「夫がいない貴方に家賃が払えるか不安だ。そこで、部屋を退去するか、連帯保証人を両親にするか、今日、決めてもらいたい。」と強要した。
 会社のオーナーに相談してから返事をするから、取敢えず今日のところはお帰り願いたいと言っても聞き入れて貰えなかった。

 挙句の果てには、2月末に退去する旨の書類にサインしなさいの一点張りになり、書類にサインをしない限り帰ろうとはしない態度である。困り果てて仕方なく立退きの合意書類にサインをしてしまった。その後、心配になって、知人の紹介で組合に相談した。

 組合は、この「立退き合意書」は消費者契約法第4条3項に違反しており、合意事項は取り消すことが出きると説明した。早速、「不退去による困惑で締結した立退き合意書は、消費者契約法第4条3項の規定に違反するので取り消す」という文書を作成し、家主に郵送した。

 有田さんは「組合に相談して助かりまし女だと思って馬鹿にされ、悔しい思いもしましたが、これで安心して寝る事が出来ます」と語った。

東京借地借家人新聞より

 


 

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第4条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

 一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認

 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認

2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。

3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

 一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。

 二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。

4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。

 一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容

 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件

5 第一項から第三項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

 

東京・台東借地借家人組合

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