東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 家主に雨漏りの修繕を頼んだがやってくれない場合の対応は

2013年04月19日 | 修理・改修(借家)

 【問】 私は木造瓦葺平屋建て床面積82.6平方メートルを賃借して8年経過しました。先月の暴風で屋根の瓦に異常が生じたのか雨漏りがするようになり、家主に修繕工事を要請しましたが、いまだに工事は行われていません。どのように対応すれば良いのでしょうか。


  【答】 家主は家屋を賃貸するにあたり、借主が使用・収益できる状態で賃貸する義務があります。雨漏りにより借主への使用・収益に支障を来たす状態に至ったのであるから、家主に家屋の修繕する義務があります(民法606条1項)。家屋を賃貸させて家賃収入を得ている立場を自覚せずに、家屋の修繕を怠っている家主に問題があります。

 借主が自ら修繕工事を行い、その代金を家主に支払わせることができます。家主に対し、改めて工務店の修繕工事費見積と修繕工事着工期日を決め、その期日までに家主側の工事が行われない場合は、借主が修繕工事を工務店に依頼し、その代金を家主に請求する旨を書面にて通告する。後日の証として内容証明郵便の活用が望ましい。

 工事終了後、家主が代金を支払ってくれない場合は、家賃と相殺する権利が借主にはあります(民法608条1項)。暴風によって生じた雨漏りの修繕工事であり、家屋の維持保全に必要な経費を負担するのは、家主の当然の義務です。借主は家屋を安全安心して使用できることで収益があるのです。家屋が著しく老朽化による朽廃状態でない限り修繕は家主の義務です。

 

全国借地借家人新聞より


 <民法>

(賃貸物の修繕等)
第606条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。

 (賃借人による費用の償還請求)
第608条 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。

 

東京・台東借地借家人組合

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