東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 抵当権付き借家を借りたが、今後の契約はどうなるか

2010年02月25日 | 借家の諸問題

(問) 私は、平成20年7月1日、仲介業者を通じて3階建の木造借家を敷金40万円(解約時返金なし)月額9万円の条件で借りました。

 今年2月上旬、突然大阪地裁執行官が調査用紙を持参し、「資料をコピーして返送してほしい」と言われ「何のことか意味不明」でビックリしました。

 家主へ問合せをしても行方不明で音信不通。仲介業者へ相談しても「うちも犠牲者」というばかりで要領が得られません。

 仲介業者は、契約前に「抵当権付き物件」と説明してあったと言います。益々わからず不安になりました。

 登記簿謄本を見ると、その借家は、平成17年6月末に銀行から融資を受け、抵当権が設定されていることがわかりました。

 大学受験を真近に控えた娘もおり、借家を出ることはできません。どうしたらよいでしょうか。



(答) 抵当権設定後の賃貸借契約は、家主が債務不履行でその建物が債権者から競売されてしまうと、新所有者には対抗権はありません(居住権を主張できません)。

 すなわち、Sさんの事例では、抵当権が設定されている建物を仲介業者が事前に説明していることから、仲介業者へその責任を取ってもらうことも不可能と思われます。

 裁判所のお問い合わせには応じてこれまでの事情を説明し、新所有者に契約の存続を望んでいることを付言してもらう以外にはありえません。

 まお、契約時に支払った敷金も新家主からは、返還してもらうことはできません。これまでの家主に対しては、損害賠償請求を訴えることはできますが、行方不明であるのでどうしようもありません。

 借家人が新たに借家を借りる場合は必ず抵当権が設定されているかどうかを確認し、いくら契約条件がよくても抵当権設定されいる建物は契約しないことをお勧めします。

 

 

大借連新聞より


 

参考

Q&A 抵当権設定後の建物を賃借しているが競落人から明渡請求を受けている

 

東京・台東借地借家人組合

無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
土曜日日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。