東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

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保証金600万円が戻らないかもしれない (東京・台東区)

2007年11月05日 | 敷金(保証金)・原状回復・消費者契約法

 中野さんは台東区上野でスナックを経営している。家賃は税込で49万3500円である。それとは別に電気、水道代を含む管理費を月約20万円支払っている。

 中野さんは夏場に体調を崩し、1か月程病院に入院していた。退院後も体調は思わしくない。スナックを続ける自信がなくなり、70歳を潮時と考え、11月末で廃業する事にした。

 10月3日に店舗を管理している不動産屋に電話で解約予告をした。それに保証金の返還は、何時ごろになるのかを尋ねた。 

 担当者から返事は、次のようなものであった。
 ①契約書に「解約予告の6か月後に賃貸契約は終了する」という特約があるので来年の4月分までの家賃(246万7500円)の支払義務がある。

 ②契約満了日は12月24日であるから、更新料(98万7000円)と更新手数料(消費税込25万9088円)が必要である。

 ③中途解約なので「償却特約」で家賃の2か月分相当を保証金600万円から償却する約束になっている。

 ④原状回復費用などがあるので、それらを精算すると返却される保証金は何もない。

 担当者が更新料も必要といっていたが、何故、更新料を支払わなければならないのか疑問に思い借地借家人組合へ相談した。

 組合からは、以下のように説明した。10月3日に解約予告をし、その6か月後に賃貸借契約が終了するという特約になっている。これは中途解約違約金という意味であり、契約を4月まで継続するということではない。事実、契約書の但書に「一括で6か月分の家賃を支払えば即時解約出来る」となっている。従って、契約の更新は発生しないから、当然「更新料更新手数料」は支払う必要はない。

 また、契約書に「日割計算特約」が書かれているので1か月単位の精算になる。「日割計算特約」は1か月単位の精算にも合理性があり、暴利行為とはいえなという事で一応特約は有効とされている。従って、約1か月分の払戻しは受けられない可能性がある。

 <注意> 殆どの契約書は解約予告通知は文書で行うように書かれている。電話での解約予告は、後日、聴いていないと言われたり、解約予告の通知が無かったと言われ、保証金から6カ月の家賃相当分を差し引かれるトラブルの原因になる。或は文書で通告することになっているが、そのような解約の通知は届いていないと言われ、トラブルになるので、証拠を残すためにも「配達証明付内容証明郵便」を用いることを勧めたい。

 
 (参考例)
 契約書に中途解約の予告期間と解約の制裁金が書かれている場合
 契約書に中途解約する場合は、6箇月前までに書面で通知するか、或は 6箇月分の賃料(予告期間の損料)を支払うという約定に従って貸主が6箇月分の損料(564万円)を借主の保証人に請求した。

 その支払で争われた裁判では、解約は双方の合意に基づくもので、損料支払はあくまで一方的な解約権行使を補償するものなのであるから、この件では損料の支払は不要という判断をした(東京地裁1993年6月14日判決)。家賃の6箇月分の約定損料を過大と判断した結果である。

 

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